[O-ED-04-6] 理学療法学生の自己効力感と社会的スキルについて
臨床実習後に着目して
Keywords:自己効力感, 理学療法学生, 臨床実習
【はじめに,目的】Banduraは,将来の行動変容に先行する要因として自己効力感(self-efficacy,SE)を挙げ,ある結果を生み出すために必要な行動をどの程度うまく行うことができるかという個人の確信と定義し,実際に成功できるという予想は,場面に対処する努力に影響するとした。更にSEを変化させる情報源として「遂行行動の達成」を挙げ,自分自身で行動し達成できたという個人的経験に基づく,最も強力な原因とした。このことから理学療法学生は,臨床実習で様々な経験値を積み,それぞれのSEを構築していることが考えられた。そしてSEが卒業後の臨床活動への動機づけにも関与すると考えた。また実習終了後は,新人として臨床活動を開始するまでの期間,臨床に接することがないため,臨床実習終了時点のSEのレベルがそのまま推移することが推測された。一方,昨今の卒前・卒後教育において,医療専門職としての態度面(情意領域)が重視され,学生や新人理学療法士の持つ社会的スキル(Social Skill,SS)が問われる傾向がある。またSEが積極的な対人関係や自己表現,周囲との協調性を発揮することにつながること,即ちSSと関連することが考えられた。よって卒前・卒後教育の取り組みを考える上で,実習終了時点のSEとSSに着目し,両者の関係を明らかにすることが有益と考え,本研究の目的とした。
【方法】A校理学療法学科2015年度最終学年41名を対象とした。最終の臨床実習II期後に2種類の質問紙調査を行った。SEの指標として,Generalized Self-Efficacy Scale(GSES)を用いた。GSESが高いほど一般性SEが高いことを示す。SSの指標として,Kikuchi's Scale of Social Skill(KiSS-18)を用いた。KiSS-18は初歩的なスキル,高度のスキル,感情処理のスキル,攻撃に代わるスキル,ストレスを処理するスキル,計画のスキルに分類(以下,下位分類)され,スコアが高いほどSSが高いことを示す。GSESとKiSS-18を用い,以下の検討を行った。①GSESとKiSS-18の相関関係を検討した。②GSESスコアを目的変数,KiSS-18の下位分類を説明変数とした重回帰分析を行った。統計学的有意水準はすべて5%とした。
【結果】GSESは平均7.34±3.20,KiSS-18は平均61.76±7.88であった。①両者に有意な正の相関(rs=0.70)がみられた。②KiSS-18下位分類は,GSESを予測する回帰関数として有意であり,計画のスキル(相手と協力して仕事を進めるために欠かせないスキル)が,回帰係数(0.73)として有意であった。
【結論】SEが高い学生ほど,SSを高く認識することが示唆されたことから,先行要因としてのSEを高めることが,SSを高めることにつながる可能性が考えられた。またSEの予測因子として計画のスキルが抽出され,SEの構築において重要な要素であることが示唆された。これらのことから,SEを高めていくこと,そして計画のスキルを向上させることが卒前・卒後教育に必要であることが考えられた。
【方法】A校理学療法学科2015年度最終学年41名を対象とした。最終の臨床実習II期後に2種類の質問紙調査を行った。SEの指標として,Generalized Self-Efficacy Scale(GSES)を用いた。GSESが高いほど一般性SEが高いことを示す。SSの指標として,Kikuchi's Scale of Social Skill(KiSS-18)を用いた。KiSS-18は初歩的なスキル,高度のスキル,感情処理のスキル,攻撃に代わるスキル,ストレスを処理するスキル,計画のスキルに分類(以下,下位分類)され,スコアが高いほどSSが高いことを示す。GSESとKiSS-18を用い,以下の検討を行った。①GSESとKiSS-18の相関関係を検討した。②GSESスコアを目的変数,KiSS-18の下位分類を説明変数とした重回帰分析を行った。統計学的有意水準はすべて5%とした。
【結果】GSESは平均7.34±3.20,KiSS-18は平均61.76±7.88であった。①両者に有意な正の相関(rs=0.70)がみられた。②KiSS-18下位分類は,GSESを予測する回帰関数として有意であり,計画のスキル(相手と協力して仕事を進めるために欠かせないスキル)が,回帰係数(0.73)として有意であった。
【結論】SEが高い学生ほど,SSを高く認識することが示唆されたことから,先行要因としてのSEを高めることが,SSを高めることにつながる可能性が考えられた。またSEの予測因子として計画のスキルが抽出され,SEの構築において重要な要素であることが示唆された。これらのことから,SEを高めていくこと,そして計画のスキルを向上させることが卒前・卒後教育に必要であることが考えられた。