[O-SP-04-6] 足関節装具の固定力の違いがサイドジャンプ着地の足関節運動に与える影響
Keywords:足関節装具, サイドジャンプ着地動作, 足関節内反捻挫
【はじめに,目的】
スポーツ活動中に足関節内反捻挫が頻発する動作として,サイドジャンプ着地動作がある。足関節捻挫受傷後には再受傷の可能性が70%以上になるともいわれており(Yeung 1994),再受傷の対策が模索されている。そのひとつに,足関節装具がある。足関節装具には,捻挫予防や固有受容器の賦活,早期スポーツ復帰などに効果があるとされている(Surve 1994)。しかし,足関節装具の固定力の違いがサイドジャンプ着地時の足関節角度に与える影響は不明である。
本研究は,足関節装具の固定力の違いがサイドジャンプ着地時の足関節角度に与える影響を明らかにすることを目的とした。仮説は,固定力の高い装具では足関節背屈角度,内反角度は減少するとした。
【方法】
対象は足関節内反捻挫の既往のない健常女性7名7脚(年齢21.4±0.4歳,身長157.6±5.3cm,体重49.1±5.3kg)とした。非利き足はボールを蹴るときの軸足と定義し,非利き足に足関節装具を装着した。足関節装具はソフトサポート装具(FA-1,日本シグマックス社)(以下;SS)とミドルサポート装具(A-1,日本シグマックス社)(以下;MS)を用いた。対象にはPlug-in gait modelに基づきマーカーを下肢16か所に貼付した。サイドジャンプは,20cmの台上から外側方50cmの位置に設置した床反力計上への,片脚での着地とした。動作を三次元動作解析装置(VICON MOTION SYSTEM社)にて100Hzで計測し,床反力を1台の床反力計(AMTI社)にて1,000Hzで計測した。各条件3回の成功試行を記録し,足部接地の前後100msの足関節底背屈角度,内外反角度を解析した。
統計学的解析には,非装着(NS),SS,MSの着地前100ms,着地時,着地後100msの差の検定に一元配置分散分析を用いた。多重比較検定にはLSD法を用いた。危険率は5%未満とした。
【結果】
足関節背屈角度(°)はNSとSS,MSで,接地前100msはそれぞれ,2.9±4.2,4.2±4.9,0.9±5.5,接地時で-14.9±5.9,-9.0±6.6,-12.6±6.5,接地後100msで19.3±3.6,17.9±7.0,15.4±3.7だった。各条件間で有意な差は認めなかった。
内反角度(°)は,接地前100msで2.3±0.8,2.0±1.3,1.0±1.4,接地時で2.5±1.3,1.5±1.2,1.1±1.1,接地後100msで2.6±0.9,2.0±0.6,1.3±0.7だった。接地前100msはMSで,NSとSSよりも減少し(p<0.05),接地時はSS,MSでNSよりも減少し(p<0.05),接地後100msはMSでNSとSSよりも減少した(p<0.05)。
【結論】
2種類の足関節装具を用い,サイドジャンプ着地時の足関節角度への影響を分析した。動作を通してSS,MSでは正常な足関節底背屈運動を妨げないことが確認された。MSはSSと比較し,足関節外側にスターアップストラップや,プラスチックステーがあるため,内反制動がより強くなったと考えられる。サイドジャンプ着地での足関節装具による内反制動が認められたことで,捻挫の予防に新しい知見が加えられたと考えられる。
スポーツ活動中に足関節内反捻挫が頻発する動作として,サイドジャンプ着地動作がある。足関節捻挫受傷後には再受傷の可能性が70%以上になるともいわれており(Yeung 1994),再受傷の対策が模索されている。そのひとつに,足関節装具がある。足関節装具には,捻挫予防や固有受容器の賦活,早期スポーツ復帰などに効果があるとされている(Surve 1994)。しかし,足関節装具の固定力の違いがサイドジャンプ着地時の足関節角度に与える影響は不明である。
本研究は,足関節装具の固定力の違いがサイドジャンプ着地時の足関節角度に与える影響を明らかにすることを目的とした。仮説は,固定力の高い装具では足関節背屈角度,内反角度は減少するとした。
【方法】
対象は足関節内反捻挫の既往のない健常女性7名7脚(年齢21.4±0.4歳,身長157.6±5.3cm,体重49.1±5.3kg)とした。非利き足はボールを蹴るときの軸足と定義し,非利き足に足関節装具を装着した。足関節装具はソフトサポート装具(FA-1,日本シグマックス社)(以下;SS)とミドルサポート装具(A-1,日本シグマックス社)(以下;MS)を用いた。対象にはPlug-in gait modelに基づきマーカーを下肢16か所に貼付した。サイドジャンプは,20cmの台上から外側方50cmの位置に設置した床反力計上への,片脚での着地とした。動作を三次元動作解析装置(VICON MOTION SYSTEM社)にて100Hzで計測し,床反力を1台の床反力計(AMTI社)にて1,000Hzで計測した。各条件3回の成功試行を記録し,足部接地の前後100msの足関節底背屈角度,内外反角度を解析した。
統計学的解析には,非装着(NS),SS,MSの着地前100ms,着地時,着地後100msの差の検定に一元配置分散分析を用いた。多重比較検定にはLSD法を用いた。危険率は5%未満とした。
【結果】
足関節背屈角度(°)はNSとSS,MSで,接地前100msはそれぞれ,2.9±4.2,4.2±4.9,0.9±5.5,接地時で-14.9±5.9,-9.0±6.6,-12.6±6.5,接地後100msで19.3±3.6,17.9±7.0,15.4±3.7だった。各条件間で有意な差は認めなかった。
内反角度(°)は,接地前100msで2.3±0.8,2.0±1.3,1.0±1.4,接地時で2.5±1.3,1.5±1.2,1.1±1.1,接地後100msで2.6±0.9,2.0±0.6,1.3±0.7だった。接地前100msはMSで,NSとSSよりも減少し(p<0.05),接地時はSS,MSでNSよりも減少し(p<0.05),接地後100msはMSでNSとSSよりも減少した(p<0.05)。
【結論】
2種類の足関節装具を用い,サイドジャンプ着地時の足関節角度への影響を分析した。動作を通してSS,MSでは正常な足関節底背屈運動を妨げないことが確認された。MSはSSと比較し,足関節外側にスターアップストラップや,プラスチックステーがあるため,内反制動がより強くなったと考えられる。サイドジャンプ着地での足関節装具による内反制動が認められたことで,捻挫の予防に新しい知見が加えられたと考えられる。