[P-ED-06-3] 理学療法学科生における基礎・専門科目の意識調査
キーワード:理学療法教育, 学習支援, カリキュラム
【はじめに,目的】理学療法専門科目は必修科目の位置づけで必要な知識に加え,技術修得も目標とされている。実習や国家試験に役立つよう必要な知識・技術を効率よく修得させる目的で,教員は様々な準備や仕掛けを講じ,授業をデザインする。養成校から臨床へ円滑に移行するためにも,コアカリキュラムに準拠した技術面の修得も授業目標としては重要な視点といえる。今回,本学のカリキュラムに対して,臨床実習を終えた4年生を対象に,基礎・専門科目をどのように捉えているかアンケート調査を用い,検討したので報告する。
【方法】対象は本学の理学療法学科に在籍し,総合臨床実習を修了した4年生27名(男性19名 女性8名)と,専門基礎科目が修了したばかりの2年生98名(男性59名 女性39名)である。アンケート回収率は4年生100%,2年生96%であった。アンケートの内容は,両学年共通の質問として基礎科目に対する選択形式の7項目の質問に加え,「目指す理学療法士像」について自由記載で回答を求めた。さらに4年生には,「臨床実習」を除く「演習・実習」科目に対する満足度とその理由,臨床実習前及び今後に必要な学習準備,専門科目履修後と臨床実習修了後の基礎科目に対する意識の違いについて質問した。
【結論】基礎科目である解剖学・生理学・運動学は2年生では約70%が苦手意識を持ち,4年生では80%を上回る者が苦手意識を持っており,進級とともに割合が多くなっていた。各科目間の統計的有意差は認められない。
専門科目で満足度が高かったものは「整形外科系理学療法学実習」「内部系障害理学療法学演習」「機能能力診断学実習」「日常生活活動学実習」であった。一方,不満足な科目は「義肢装具学実習」「内部系障害理学療法学演習」が挙げられた。授業の面白さや授業デザインに対して満足感に差があることが分かった。
専門科目履修後と臨床実習修了後の基礎科目の意識の変化については,「臨床で必要」「興味の向上」が増加していた。臨床実習前と卒業までの準備では「基礎科目の復習」「疾患の理解」「文章力」は減少し,「評価スキル」「介入技術」「論文等読解力」などの項目は増加していた。
【結論】専門科目の満足度は,科目の関心の有無と好き嫌いに加え,授業デザインも影響していることが示唆された。学生はそれぞれの学年で,その授業の意義を自ら考え取り組むことでカリキュラムを履修していた。4年生は臨床実習,就職準備が科目への意識を左右していた。臨床を体験,意識することは,基礎科目の重要さを認識させ,学習意欲を高めていることが示唆された。現状養成校のカリキュラムは,基礎専門科目履修後,臨床実習が配置されている。臨床実習履修以降,国家試験までの時期は主にその対策にあてられる。就職への円滑な移行に備えた臨床的思考の整理や技能の定着などの取り組みは必要であろうと考える。
【方法】対象は本学の理学療法学科に在籍し,総合臨床実習を修了した4年生27名(男性19名 女性8名)と,専門基礎科目が修了したばかりの2年生98名(男性59名 女性39名)である。アンケート回収率は4年生100%,2年生96%であった。アンケートの内容は,両学年共通の質問として基礎科目に対する選択形式の7項目の質問に加え,「目指す理学療法士像」について自由記載で回答を求めた。さらに4年生には,「臨床実習」を除く「演習・実習」科目に対する満足度とその理由,臨床実習前及び今後に必要な学習準備,専門科目履修後と臨床実習修了後の基礎科目に対する意識の違いについて質問した。
【結論】基礎科目である解剖学・生理学・運動学は2年生では約70%が苦手意識を持ち,4年生では80%を上回る者が苦手意識を持っており,進級とともに割合が多くなっていた。各科目間の統計的有意差は認められない。
専門科目で満足度が高かったものは「整形外科系理学療法学実習」「内部系障害理学療法学演習」「機能能力診断学実習」「日常生活活動学実習」であった。一方,不満足な科目は「義肢装具学実習」「内部系障害理学療法学演習」が挙げられた。授業の面白さや授業デザインに対して満足感に差があることが分かった。
専門科目履修後と臨床実習修了後の基礎科目の意識の変化については,「臨床で必要」「興味の向上」が増加していた。臨床実習前と卒業までの準備では「基礎科目の復習」「疾患の理解」「文章力」は減少し,「評価スキル」「介入技術」「論文等読解力」などの項目は増加していた。
【結論】専門科目の満足度は,科目の関心の有無と好き嫌いに加え,授業デザインも影響していることが示唆された。学生はそれぞれの学年で,その授業の意義を自ら考え取り組むことでカリキュラムを履修していた。4年生は臨床実習,就職準備が科目への意識を左右していた。臨床を体験,意識することは,基礎科目の重要さを認識させ,学習意欲を高めていることが示唆された。現状養成校のカリキュラムは,基礎専門科目履修後,臨床実習が配置されている。臨床実習履修以降,国家試験までの時期は主にその対策にあてられる。就職への円滑な移行に備えた臨床的思考の整理や技能の定着などの取り組みは必要であろうと考える。