[P-ED-09-2] 理学療法学科学生が考える臨床実習指導者の理想像の実態調査
キーワード:学生, 臨床実習指導者, 理想像
【はじめに,目的】
理学療法士の質の向上には,理学療法学科学生の臨床実習における「教育の質の向上」が重要と考える。そのためには,良い臨床実習指導者(以下,指導者)の特徴を検討する必要があると考えた。以前,我々は指導者に対して指導者の理想像の調査・発表を行った。そこで今回,学生からみた指導者の理想像の把握及び実習経験での変化を把握することを目的とした。
【方法】
調査期間は,それぞれ2日間を設定。実習前が平成25年7月,実習後が平成26年3月。実習は3週,8週であった。A大学の3年生83名を対象として,任意に回答要請し,質問紙調査を行った。回答方法は無記名で,選択回答もしくは自由記載とした。質問紙の回収後は,回答の信頼性保持の為の社会的望ましさ尺度で,不適切と判断されたものは除外した。自由記載の回答はテキスト形式(.txt)にデータ化し,樋口らの開発したフリーソフトウェア「KH Coder」を利用して,テキストマイニングの手法を用いて,頻出語抽出と階層的クラスター分析を行った。
【結果】
有効回答は54名であった(65.1%)(男性31名,女性23名)(20.6±0.7歳)。実習前では1033語が抽出された。最頻150語を抽出した結果,「実習」,「教える」,「指導」,「学生」,「考える」,「意見」,「厳しい」,「臨床」が上位8番目(最頻出回数:7以上)までの最頻語であった。クラスター分析(Ward's Method,出現回数7回以上の語を対象)を行った結果,「学生のことを考える」,「厳しく教える」,「意見を聞き,実習指導を行う」の3つのクラスターに分類された。実習後では919語が抽出された。最頻150語を抽出した結果,「実習」,「学生」,「厳しい」,「人」,「考える」,「優しい」,「教える」,「指導」が上位8番目までの最頻語であった。クラスター分析を行った結果,「厳しく,優しい」,「考える実習」,「学生に教える(指導する)ことが出来る」の3つのクラスターに分類された。実習前後の比較では,共通点では「実習」,「学生」,「考える」,「厳しい」,「教える」,「指導」があった。相違点では,実習後に「優しい」が上位にあった。
【結論】
実習前後の比較では,頻出語抽出・クラスター分析より,実習前は,学生のことを考え,意見を聞いてもらう指導者や厳しさのある指導者,実習後は,学生に教えるといった面と学生に考えさせる実習の視点がある指導者や,厳しさと優しさを兼ね備えた指導者を理想としていると考えられた。より良い理学療法士を育てるためには,適切な指導が出来る指導者の育成が重要である。学生が考える指導者の理想像を把握することは,より良い臨床実習指導を行うことに繋がると考えられ,学生を含めた後進の育成のために重要な事だといえる。
理学療法士の質の向上には,理学療法学科学生の臨床実習における「教育の質の向上」が重要と考える。そのためには,良い臨床実習指導者(以下,指導者)の特徴を検討する必要があると考えた。以前,我々は指導者に対して指導者の理想像の調査・発表を行った。そこで今回,学生からみた指導者の理想像の把握及び実習経験での変化を把握することを目的とした。
【方法】
調査期間は,それぞれ2日間を設定。実習前が平成25年7月,実習後が平成26年3月。実習は3週,8週であった。A大学の3年生83名を対象として,任意に回答要請し,質問紙調査を行った。回答方法は無記名で,選択回答もしくは自由記載とした。質問紙の回収後は,回答の信頼性保持の為の社会的望ましさ尺度で,不適切と判断されたものは除外した。自由記載の回答はテキスト形式(.txt)にデータ化し,樋口らの開発したフリーソフトウェア「KH Coder」を利用して,テキストマイニングの手法を用いて,頻出語抽出と階層的クラスター分析を行った。
【結果】
有効回答は54名であった(65.1%)(男性31名,女性23名)(20.6±0.7歳)。実習前では1033語が抽出された。最頻150語を抽出した結果,「実習」,「教える」,「指導」,「学生」,「考える」,「意見」,「厳しい」,「臨床」が上位8番目(最頻出回数:7以上)までの最頻語であった。クラスター分析(Ward's Method,出現回数7回以上の語を対象)を行った結果,「学生のことを考える」,「厳しく教える」,「意見を聞き,実習指導を行う」の3つのクラスターに分類された。実習後では919語が抽出された。最頻150語を抽出した結果,「実習」,「学生」,「厳しい」,「人」,「考える」,「優しい」,「教える」,「指導」が上位8番目までの最頻語であった。クラスター分析を行った結果,「厳しく,優しい」,「考える実習」,「学生に教える(指導する)ことが出来る」の3つのクラスターに分類された。実習前後の比較では,共通点では「実習」,「学生」,「考える」,「厳しい」,「教える」,「指導」があった。相違点では,実習後に「優しい」が上位にあった。
【結論】
実習前後の比較では,頻出語抽出・クラスター分析より,実習前は,学生のことを考え,意見を聞いてもらう指導者や厳しさのある指導者,実習後は,学生に教えるといった面と学生に考えさせる実習の視点がある指導者や,厳しさと優しさを兼ね備えた指導者を理想としていると考えられた。より良い理学療法士を育てるためには,適切な指導が出来る指導者の育成が重要である。学生が考える指導者の理想像を把握することは,より良い臨床実習指導を行うことに繋がると考えられ,学生を含めた後進の育成のために重要な事だといえる。