[P-MT-35-1] 難治性慢性痛患者に対するペインマネジメントプログラムにおけるフォローアップデータの分析
Keywords:慢性痛, ペインマネジメントプログラム, フォローアップ
【はじめに,目的】我々は平成23年より,難治性の慢性痛患者を対象として,諸外国で広く行われている認知行動療法と運動療法を組み合わせたペインマネジメントプログラムを参考に,外来型プログラムを立案し実施している。これまでに本プログラムにより痛みの強さ,痛み認知の歪み(破局的思考),生活障害度,自己効力感,柔軟性,歩行速度,持久力などで有意な改善を認め,破局的思考などが,主観的改善度に影響を及ぼす因子であることを報告した。今回,本プログラム終了6か月後における痛み,精神・心理機能,身体機能などの変化及び効果の大きさを検討した。
【方法】対象は,平成23年10月から平成27年10月までに,本プログラムを終了し,6か月後のフォローアップ評価を実施した50名(男性18名,女性32名,平均年齢63.1歳)である。プログラムは定員を5~7名とし,痛みに関する講義と運動を組み合わせ,週1日,全9回実施した。講義は痛みのメカニズム,対処法,ペーシング,グループディスカッションなどであり,医師,理学療法士が担当した。運動はリラクセーション,ストレッチング,筋力強化,エルゴメーター,水中歩行などで構成し,理学療法士,トレーナーが担当した。またプログラム開始時,終了時,6か月後に下記の評価を実施した。痛みの評価は,痛みの強さ:Visual Analog Scale(VAS),生活障害度:Pain Disability Assessment Scale(PDAS),不安・抑うつ:Hospital Anxiety and Depression scale(HADS不安,HADS抑うつ),破局的思考:Pain Catastrophizing Scale(PCS),自己効力感:Pain Self-Efficacy Questionnaire(PSEQ)などの質問票を使用した。身体機能評価は,体重,長座体前屈(前屈),開眼片脚立位保持(片脚立位),10mジグザグ歩行(ジグザグ歩行),起居動作テスト(起居動作),身辺作業能力テスト(身辺作業),6分間歩行距離(6MD)などを計測した。開始時と終了時及び6か月後における各評価項目の比較にWilcoxonの符号付順位和検定を使用し,有意水準を0.002(Bonferroni補正後)とした。また効果量rを算出し,終了時及び6か月後における各評価項目の効果の大きさを検討した。
【結果】終了時において,VAS,PDAS,HADS不安・抑うつ,PCS,PSEQ,前屈,ジグザグ歩行,起居動作,身辺作業,6MDで有意な改善を認め(p<0.002),6か月後も有意な改善を維持していた。また効果の大きさは,終了時において全ての評価項目で中等度以上の効果量(r≧0.3)を認め,6か月後も維持していた。
【結論】Bourgaultら(2015)は,定期的なフォローアッププログラムの実施により,痛みの強さや破局的思考などの改善は,6か月後も維持されていたことを報告している。今回,フォローアッププログラムは実施していないが,参加者はプログラム終了後も当センターでの外来診療(1~3か月に1回)を継続しており,教育による改善効果を持続できたものと推察する。
【方法】対象は,平成23年10月から平成27年10月までに,本プログラムを終了し,6か月後のフォローアップ評価を実施した50名(男性18名,女性32名,平均年齢63.1歳)である。プログラムは定員を5~7名とし,痛みに関する講義と運動を組み合わせ,週1日,全9回実施した。講義は痛みのメカニズム,対処法,ペーシング,グループディスカッションなどであり,医師,理学療法士が担当した。運動はリラクセーション,ストレッチング,筋力強化,エルゴメーター,水中歩行などで構成し,理学療法士,トレーナーが担当した。またプログラム開始時,終了時,6か月後に下記の評価を実施した。痛みの評価は,痛みの強さ:Visual Analog Scale(VAS),生活障害度:Pain Disability Assessment Scale(PDAS),不安・抑うつ:Hospital Anxiety and Depression scale(HADS不安,HADS抑うつ),破局的思考:Pain Catastrophizing Scale(PCS),自己効力感:Pain Self-Efficacy Questionnaire(PSEQ)などの質問票を使用した。身体機能評価は,体重,長座体前屈(前屈),開眼片脚立位保持(片脚立位),10mジグザグ歩行(ジグザグ歩行),起居動作テスト(起居動作),身辺作業能力テスト(身辺作業),6分間歩行距離(6MD)などを計測した。開始時と終了時及び6か月後における各評価項目の比較にWilcoxonの符号付順位和検定を使用し,有意水準を0.002(Bonferroni補正後)とした。また効果量rを算出し,終了時及び6か月後における各評価項目の効果の大きさを検討した。
【結果】終了時において,VAS,PDAS,HADS不安・抑うつ,PCS,PSEQ,前屈,ジグザグ歩行,起居動作,身辺作業,6MDで有意な改善を認め(p<0.002),6か月後も有意な改善を維持していた。また効果の大きさは,終了時において全ての評価項目で中等度以上の効果量(r≧0.3)を認め,6か月後も維持していた。
【結論】Bourgaultら(2015)は,定期的なフォローアッププログラムの実施により,痛みの強さや破局的思考などの改善は,6か月後も維持されていたことを報告している。今回,フォローアッププログラムは実施していないが,参加者はプログラム終了後も当センターでの外来診療(1~3か月に1回)を継続しており,教育による改善効果を持続できたものと推察する。