[P-SP-10-3] 腹横筋トレーニングがジャンプ着地時のKnee inに及ぼす影響
Keywords:腹横筋, 体幹機能, Knee in
【はじめに,目的】
膝前十字靭帯(Anterior Cruciate Ligament;ACL)損傷受傷の要因として近年,体幹機能,特に体幹の側方変位への制御が注目されている。その主要な要素である腹横筋が,ジャンプ着地時のknee inや体幹機能に影響を及ぼすかは不明である。本研究の目的は,腹横筋トレーニングがジャンプ着地時のKnee inや体幹安定性に及ぼす影響を明らかにし,ACL損傷予防におけるトレーニングの有効性を検討することである。
【方法】
A大学女子バレーボール部の選手24名を対象とし,コントロール群,トレーニング群の2群に振り分けた。トレーニングはDraw inによる腹横筋の選択的収縮を行った。頻度は10回/セット,10セット/日,3日/週とし4週間実施した。トレーニング効果の検証として,各群とも介入期間の前後で腹横筋の筋厚を計測し,(最大呼気努力時-安静時)/安静時の計算式より変化率を算出した。Knee inの測定はDrop-Jump Screening Testを3回実施し,デジタルカメラ(Sonny社製)で動画を撮影し,その画像から着地後の膝関節最大屈曲時におけるKnee Width Ratio(KWR)値の最低値を算出した。また,その時の体幹側屈角度も合わせて計測した。統計学的解析は,各群における各測定項目の介入前後での比較にはWilcoxonの符号付順位検定を,2群間での比較にはMann-WhitneyのU検定を用い危険率5%とした。
【結果】
腹横筋の収縮率はトレーニング群において介入前に比べ介入後で有意に増加(60.95±25.13→97.03±37.62;p<0.01)したが,コントロール群では有意差は認められず,また両群ともKWR,体幹側屈角度は介入前後で有意差は認められなかった。各測定項目の2群間比較では,介入前は両群間に有意差は認められなかったが,介入後ではトレーニング群がコントロール群に比べ腹横筋収縮率が有意に高値(97.03±37.62vs69.00±45.87;p<0.05)を示し,体幹側屈角度は有意に低値(4.6±3.36vs 7.88±4.48;p<0.05)であった。KWR値は2群間に有意差は認めなかった。
【結論】
トレーニング群では介入前後で腹横筋の収縮率が増加し,また着地時の体幹側屈角度もコントロール群に比べ有意に低値を示したことから,腹横筋の筋力トレーニングはジャンプ着地時の体幹側屈の制御に寄与する可能性が示唆された。しかし,Knee inとの関連性については今後の検討課題である。
膝前十字靭帯(Anterior Cruciate Ligament;ACL)損傷受傷の要因として近年,体幹機能,特に体幹の側方変位への制御が注目されている。その主要な要素である腹横筋が,ジャンプ着地時のknee inや体幹機能に影響を及ぼすかは不明である。本研究の目的は,腹横筋トレーニングがジャンプ着地時のKnee inや体幹安定性に及ぼす影響を明らかにし,ACL損傷予防におけるトレーニングの有効性を検討することである。
【方法】
A大学女子バレーボール部の選手24名を対象とし,コントロール群,トレーニング群の2群に振り分けた。トレーニングはDraw inによる腹横筋の選択的収縮を行った。頻度は10回/セット,10セット/日,3日/週とし4週間実施した。トレーニング効果の検証として,各群とも介入期間の前後で腹横筋の筋厚を計測し,(最大呼気努力時-安静時)/安静時の計算式より変化率を算出した。Knee inの測定はDrop-Jump Screening Testを3回実施し,デジタルカメラ(Sonny社製)で動画を撮影し,その画像から着地後の膝関節最大屈曲時におけるKnee Width Ratio(KWR)値の最低値を算出した。また,その時の体幹側屈角度も合わせて計測した。統計学的解析は,各群における各測定項目の介入前後での比較にはWilcoxonの符号付順位検定を,2群間での比較にはMann-WhitneyのU検定を用い危険率5%とした。
【結果】
腹横筋の収縮率はトレーニング群において介入前に比べ介入後で有意に増加(60.95±25.13→97.03±37.62;p<0.01)したが,コントロール群では有意差は認められず,また両群ともKWR,体幹側屈角度は介入前後で有意差は認められなかった。各測定項目の2群間比較では,介入前は両群間に有意差は認められなかったが,介入後ではトレーニング群がコントロール群に比べ腹横筋収縮率が有意に高値(97.03±37.62vs69.00±45.87;p<0.05)を示し,体幹側屈角度は有意に低値(4.6±3.36vs 7.88±4.48;p<0.05)であった。KWR値は2群間に有意差は認めなかった。
【結論】
トレーニング群では介入前後で腹横筋の収縮率が増加し,また着地時の体幹側屈角度もコントロール群に比べ有意に低値を示したことから,腹横筋の筋力トレーニングはジャンプ着地時の体幹側屈の制御に寄与する可能性が示唆された。しかし,Knee inとの関連性については今後の検討課題である。