[P-TK-14-6] 通所リハビリテーションにおけるリハビリテーション会議とマンツーマンケアシステム導入の有用性の検討
Keywords:リハビリテーション会議, 多職種連携, 通所リハビリテーション
【はじめに,目的】
リハビリテーション(以下,リハ)会議は,平成27年度介護報酬改定で通所リハにおいて新設されたリハマネジメント加算IIの算定要件であり,その報告は少ない。リハ会議はリハ目標や内容,多職種協働に基づく支援方針を協議する場である。当通所リハでは平成27年4月より,全利用者に対してリハマネジメント加算IIを算定し,適宜リハ会議を実施してきた。そのリハ会議内容を通所リハケアスタッフ(介護・看護職)に適切に伝達し,通所リハ内での関わり方を意識的に変化させたところ,利用者の心身機能の変化を実感するようになってきた。今回,当通所リハでリハ会議を実施していく中で生じてきた変化を調査し,その有用性を検討する。
【方法】
リハ会議内容は,リハ専門職が他職種に対してミーティングの際に伝達し,必要な練習やケアを周知した。その情報を基に,利用者の機能改善を図る目的で,他職種が安全に実施可能で適切な練習をマンツーマンで実施する取り組みを導入し,利用者毎の練習メニューを提案し,適宜変化させた。また,利用者の変化を明らかにする目的で,平成27年4月から9月の間に当通所リハ(定員48/日,平均介護度2.3)を利用した105名を対象とし,計画書,リハ実施記録及び介護記録から,期間中のトイレ動作自立度が向上した人数,入浴・洗体動作自立度が向上した人数,車椅子不要になった人数,ケアスタッフとの歩行練習実施人数,及び余暇時間の自主練習(運動・認知)実施人数を後方視的に調査した。さらに,ケアスタッフの意識調査として,他職種13名に対し,マンツーマンでの機能練習に関するアンケート調査を実施した。
【結果】
ケアスタッフがマンツーマンで行う機能練習は,95人(90.5%)に対して実施するようになった。利用者の変化に関する調査結果は,トイレ動作自立度向上:16人(トイレ要介助35人中45.7%),入浴・洗体動作自立度向上:22人(入浴102人中21.6%),車椅子不要になった:9人(車椅子利用55人中16.4%),ケアスタッフと歩行練習実施:84人(80%),余暇時間の自主練習(運動・認知)実施者:96人(91.4%)であった。ケアスタッフへのアンケート結果は,集団体操よりマンツーマン機能練習にやりがいを感じる:12人(92.3%),新たに知識や技術を習得した:11人(84.6%),利用者のADLの向上を感じた:13人(100%),利用者の活動量が増えた:11人(84.6%),仕事が更に楽しくなった:10人(76.9%)であった。
【結論】
リハ会議で入手した情報を利用し,リハ専門職が多職種協働に積極的に関わり,ケアスタッフによるマンツーマン練習システムを導入することで,利用者の自立促進に繋がるケアができることが示唆された。さらに,ケアスタッフの技術や知識の向上,やりがいにも好影響があることも示唆された。今後の課題として,リハ会議によるADL及びQOL等の効果を明らかにしていきたい。
リハビリテーション(以下,リハ)会議は,平成27年度介護報酬改定で通所リハにおいて新設されたリハマネジメント加算IIの算定要件であり,その報告は少ない。リハ会議はリハ目標や内容,多職種協働に基づく支援方針を協議する場である。当通所リハでは平成27年4月より,全利用者に対してリハマネジメント加算IIを算定し,適宜リハ会議を実施してきた。そのリハ会議内容を通所リハケアスタッフ(介護・看護職)に適切に伝達し,通所リハ内での関わり方を意識的に変化させたところ,利用者の心身機能の変化を実感するようになってきた。今回,当通所リハでリハ会議を実施していく中で生じてきた変化を調査し,その有用性を検討する。
【方法】
リハ会議内容は,リハ専門職が他職種に対してミーティングの際に伝達し,必要な練習やケアを周知した。その情報を基に,利用者の機能改善を図る目的で,他職種が安全に実施可能で適切な練習をマンツーマンで実施する取り組みを導入し,利用者毎の練習メニューを提案し,適宜変化させた。また,利用者の変化を明らかにする目的で,平成27年4月から9月の間に当通所リハ(定員48/日,平均介護度2.3)を利用した105名を対象とし,計画書,リハ実施記録及び介護記録から,期間中のトイレ動作自立度が向上した人数,入浴・洗体動作自立度が向上した人数,車椅子不要になった人数,ケアスタッフとの歩行練習実施人数,及び余暇時間の自主練習(運動・認知)実施人数を後方視的に調査した。さらに,ケアスタッフの意識調査として,他職種13名に対し,マンツーマンでの機能練習に関するアンケート調査を実施した。
【結果】
ケアスタッフがマンツーマンで行う機能練習は,95人(90.5%)に対して実施するようになった。利用者の変化に関する調査結果は,トイレ動作自立度向上:16人(トイレ要介助35人中45.7%),入浴・洗体動作自立度向上:22人(入浴102人中21.6%),車椅子不要になった:9人(車椅子利用55人中16.4%),ケアスタッフと歩行練習実施:84人(80%),余暇時間の自主練習(運動・認知)実施者:96人(91.4%)であった。ケアスタッフへのアンケート結果は,集団体操よりマンツーマン機能練習にやりがいを感じる:12人(92.3%),新たに知識や技術を習得した:11人(84.6%),利用者のADLの向上を感じた:13人(100%),利用者の活動量が増えた:11人(84.6%),仕事が更に楽しくなった:10人(76.9%)であった。
【結論】
リハ会議で入手した情報を利用し,リハ専門職が多職種協働に積極的に関わり,ケアスタッフによるマンツーマン練習システムを導入することで,利用者の自立促進に繋がるケアができることが示唆された。さらに,ケアスタッフの技術や知識の向上,やりがいにも好影響があることも示唆された。今後の課題として,リハ会議によるADL及びQOL等の効果を明らかにしていきたい。