[P-YB-18-5] 海外在留邦人における座位行動時間の実態と社会人口学的関連要因
マレーシア,ペラ州都イポー市における調査
キーワード:海外在留邦人, 座位行動時間, 社会人口学的関連要因
【はじめに,目的】
外務省海外在留邦人数の調査報告によると,海外で生活している(3か月以上海外に在留)日本人は増加傾向にある(外務省領事局政策課平成27年度要約版)。世界地域別の邦人数は,北米に次いでアジア地域で多い(37万9,498人,約29%)。アジア地域の中でも,マレーシアは,邦人のロングステイ先として,2006年から2013年にかけて世界第一となっている。近年,長時間の座位行動は,肥満,糖尿病,心疾患など種々の健康アウトカムに影響することが示されている(Biswas, et al., 2015)。しかし,海外在留邦人のライフスタイル,とくに座位行動の実態およびその関連要因に関する研究は極めて少ない。本研究の目的は,海外在留邦人における座位行動時間の実態とその関連要因について明らかにすることである。
【方法】
対象は,マレーシア,ペラ州都イポー市に在留している20歳以上の邦人70人である。70人に対し,現地ボランティアの協力による自記式質問紙の横断調査が実施された。座位行動時間の評価は,生活場面別座位行動尺度(石井ら2015)を用いた。我々は,平日および休日それぞれ6項目(移動2項目・仕事1項目・余暇3項目)の生活場面別座位行動時間の総計より1日あたりの総座位行動時間(分)を算出した。また,社会人口統計学的関連要因は,年齢,性,教育歴,婚姻状況,Body Mass Index(BMI),就労状況について調査した。統計学的手法には,マン・ホイットニーのU検定およびSpearmanの順位和相関係数が用いられた。統計学的有意差判定の基準は5%未満である。
【結果】
対象者の属性は,年齢57.8歳,男性62.9%,教育歴(>12年)47.7%,既婚者90.1%,BMI22.5kg/m2,就労者38.6%であった。1日あたりの総座位行動時間は411.3分であった。総座位行動時間は,男性(P<0.01)と就労者(P<0.01)で高値を,既婚者(P=0.03)で低値を示した。また,年齢と総座位行動時間には負の相関関係(r=-0.41,P<0.001)を認めた。
【結論】
海外在留邦人における1日あたりの総座位行動時間は411.3分であった。また,それに関連する社会人口統計学的要因として,年齢,性,婚姻状況,就労状況等が示された。
外務省海外在留邦人数の調査報告によると,海外で生活している(3か月以上海外に在留)日本人は増加傾向にある(外務省領事局政策課平成27年度要約版)。世界地域別の邦人数は,北米に次いでアジア地域で多い(37万9,498人,約29%)。アジア地域の中でも,マレーシアは,邦人のロングステイ先として,2006年から2013年にかけて世界第一となっている。近年,長時間の座位行動は,肥満,糖尿病,心疾患など種々の健康アウトカムに影響することが示されている(Biswas, et al., 2015)。しかし,海外在留邦人のライフスタイル,とくに座位行動の実態およびその関連要因に関する研究は極めて少ない。本研究の目的は,海外在留邦人における座位行動時間の実態とその関連要因について明らかにすることである。
【方法】
対象は,マレーシア,ペラ州都イポー市に在留している20歳以上の邦人70人である。70人に対し,現地ボランティアの協力による自記式質問紙の横断調査が実施された。座位行動時間の評価は,生活場面別座位行動尺度(石井ら2015)を用いた。我々は,平日および休日それぞれ6項目(移動2項目・仕事1項目・余暇3項目)の生活場面別座位行動時間の総計より1日あたりの総座位行動時間(分)を算出した。また,社会人口統計学的関連要因は,年齢,性,教育歴,婚姻状況,Body Mass Index(BMI),就労状況について調査した。統計学的手法には,マン・ホイットニーのU検定およびSpearmanの順位和相関係数が用いられた。統計学的有意差判定の基準は5%未満である。
【結果】
対象者の属性は,年齢57.8歳,男性62.9%,教育歴(>12年)47.7%,既婚者90.1%,BMI22.5kg/m2,就労者38.6%であった。1日あたりの総座位行動時間は411.3分であった。総座位行動時間は,男性(P<0.01)と就労者(P<0.01)で高値を,既婚者(P=0.03)で低値を示した。また,年齢と総座位行動時間には負の相関関係(r=-0.41,P<0.001)を認めた。
【結論】
海外在留邦人における1日あたりの総座位行動時間は411.3分であった。また,それに関連する社会人口統計学的要因として,年齢,性,婚姻状況,就労状況等が示された。