[HT-3-1] 急性期心臓リハビリテーション介入における継承と創生
運動療法を中心とした心臓リハビリテーションは,虚血性心疾患患者の運動耐容能を改善し二次予防に有用であることや心不全の予後を改善することが,エビデンスをもって示されている。現在,心臓リハビリテーションの標準的プログラムは多職種で構成された包括的チーム医療による関わりが推奨され,運動耐容能や栄養の評価,合併症管理や心理的・社会的側面の管理,生活指導などが行われる。最近は入院期間が短縮したことから入院中に心臓リハビリテーションを十分に行うことが出来ないことが多い。そのため急性期ではリスクの層別化を行い,回復期に向けた戦略プログラムを立てることが重要となっている。
一方,我が国は高齢者の総人口に占める割合が25%を超える超高齢社会であり,高齢者のもつ生理的予備能の低下や外的ストレスに対する脆弱性が問題となっている。この高齢者の虚弱状態はフレイルと表現され,心血管疾患との関連も指摘されている。フレイルと心血管疾患との間には密接な関連があり,地域在住の高齢者で心血管疾患があるとフレイルの発生リスクがおよそ1.5~4倍になるとされている。また,フレイルを有した高齢者では,心不全を含む心血管疾患の発症リスクが高くなるという報告もある。このようにフレイルと心血管疾患は相互にリスク因子であると言える。心臓リハビリテーションでは介入目標として再発予防が挙げられるが,高齢者の場合,その成否はフレイルの予防や改善が重要な因子となる。フレイルに対するリハビリテーションとしてまだ確立されたものはないが,フレイルサイクルにおけるサルコペニアの進展予防対策,すなわち原疾患の治療と併せ運動療法ならびに栄養療法の介入が重要になると考えられる。したがって急性期では,入院時にフレイルの有無とその程度を評価し,虚弱状態を進展させないアクションプランを策定することが重要となる。
一方,我が国は高齢者の総人口に占める割合が25%を超える超高齢社会であり,高齢者のもつ生理的予備能の低下や外的ストレスに対する脆弱性が問題となっている。この高齢者の虚弱状態はフレイルと表現され,心血管疾患との関連も指摘されている。フレイルと心血管疾患との間には密接な関連があり,地域在住の高齢者で心血管疾患があるとフレイルの発生リスクがおよそ1.5~4倍になるとされている。また,フレイルを有した高齢者では,心不全を含む心血管疾患の発症リスクが高くなるという報告もある。このようにフレイルと心血管疾患は相互にリスク因子であると言える。心臓リハビリテーションでは介入目標として再発予防が挙げられるが,高齢者の場合,その成否はフレイルの予防や改善が重要な因子となる。フレイルに対するリハビリテーションとしてまだ確立されたものはないが,フレイルサイクルにおけるサルコペニアの進展予防対策,すなわち原疾患の治療と併せ運動療法ならびに栄養療法の介入が重要になると考えられる。したがって急性期では,入院時にフレイルの有無とその程度を評価し,虚弱状態を進展させないアクションプランを策定することが重要となる。