[KS-4-3] 末梢電気刺激がもたらす神経生理学効果の検証
末梢神経に電気刺激を与えることで感覚入力が発現し,それが大脳皮質へと到達することで一次運動野の神経活動を調節することが知られている。そのため,末梢電気刺激には脳卒中などによって損傷した脳機能を促進する効果があると考えられている。そこで,我々は経頭蓋磁気刺激法を用いて,末梢電気刺激がもたらす神経生理学的変化を検証した。ここではこれまでに我々が取り組んできた研究について紹介する。
①2連発電気刺激の効果検証:2連発電気刺激は2つの刺激パルスを1つのトレインとし,それを一定のトレイン間隔で末梢神経に与える刺激方法である。我々はこの2つの刺激パルスの間隔を5 ms,トレイン間隔を100msに設定することで,皮質内の抑制回路の活動性を表す指標の1つである短潜時求心性抑制(SAI)が減弱することを報告した(Saito, et al., 2015)。このSAIの減弱は脳卒中後の運動機能再建との関連性が指摘されており,この刺激方法が新たな治療法になると考え,研究を進めている。本研究の成果を踏まえて,大脳皮質の神経活動の変化を引き出すことが可能な刺激方法について新たな知見を紹介する。
②末梢電気刺激と随意運動の併用効果の検証:末梢電気刺激には皮質脊髄路の興奮性を高める効果があるが,随意運動と組み合わせて用いることで興奮性はより一層増強することがわかっている。これまで,随意運動と末梢電気刺激を併用することでもたらされる効果については数多く報告されているが,運動と組み合わせるときの至適な電気刺激パラメーターについては十分に検証されていなかった。そこで,我々は電気刺激強度に着目し,それが随意運動と末梢電気刺激の併用効果にもたらす影響を検証した(Saito, et al., 2013, 2014)。本研究の成果を踏まえて,末梢電気刺激を随意運動などと組み合わせる際の至適な電気刺激強度について紹介する。
①2連発電気刺激の効果検証:2連発電気刺激は2つの刺激パルスを1つのトレインとし,それを一定のトレイン間隔で末梢神経に与える刺激方法である。我々はこの2つの刺激パルスの間隔を5 ms,トレイン間隔を100msに設定することで,皮質内の抑制回路の活動性を表す指標の1つである短潜時求心性抑制(SAI)が減弱することを報告した(Saito, et al., 2015)。このSAIの減弱は脳卒中後の運動機能再建との関連性が指摘されており,この刺激方法が新たな治療法になると考え,研究を進めている。本研究の成果を踏まえて,大脳皮質の神経活動の変化を引き出すことが可能な刺激方法について新たな知見を紹介する。
②末梢電気刺激と随意運動の併用効果の検証:末梢電気刺激には皮質脊髄路の興奮性を高める効果があるが,随意運動と組み合わせて用いることで興奮性はより一層増強することがわかっている。これまで,随意運動と末梢電気刺激を併用することでもたらされる効果については数多く報告されているが,運動と組み合わせるときの至適な電気刺激パラメーターについては十分に検証されていなかった。そこで,我々は電気刺激強度に着目し,それが随意運動と末梢電気刺激の併用効果にもたらす影響を検証した(Saito, et al., 2013, 2014)。本研究の成果を踏まえて,末梢電気刺激を随意運動などと組み合わせる際の至適な電気刺激強度について紹介する。