[O-ED-06-2] クリニカルクラークシップの進行に行動目標の提示と点数化が及ぼす影響
Keywords:臨床実習, クリニカルクラークシップ, 点数化
【はじめに】当院では日本理学療法士協会が推奨するクリニカルクラークシップを導入している。今回,実習期間中に獲得を目指す行動を具体的に示し,さらに与える援助を含めて点数化した尺度を作成して指導を行い,経過に及ぼす影響について検討した。
【方法】対象は養成校に在籍する男子学生3名であった。学生A・Bは,養成校4年生・8週間の実習であった。学生Cは,養成校3年生・8週間であり,来年度の春より8週間の臨床実習が控えていた。実習にあたり,当院で行動目標として実習中に経験し獲得を目指す項目を列挙した表を作成し,援助内容と組み合わせて点数付けを行った。項目は,当院で統一して行っている評価13項目と,理学療法補助5項目,理学療法の技術面3項目,学校からの課題2項目,その他4項目の計14項目を各々点数付けした。評価[脳卒中機能評価法,等尺性膝伸展筋力,荷重,片脚立位,Functional Reach Test,Timed Up and Go Test,立ち上がり,10m歩行,6分間歩行距離,Functional balance scale,改訂 長谷川式簡易知能評価スケール,徒手筋力検査,関節可動域検査],理学療法補助(バイタルサイン,筋力トレーニング,関節可動域訓練とストレッチ,装具,平行棒や杖の準備),理学療法の技術面(起居,移乗,トイレの介助),学校からの課題(学校指定のデイリー,出席),その他(朝の掃除,リハ室の片づけ,夕方の掃除,標準予防策)のであった。点数付けの基準について,理学療法評価・補助は見学1点,模倣2点,手伝い3点,自立4点とした。課題とその他は,できた場合は1点,できなかった場合は0点とした。したがって,13項目の合計は52点,14項目の合計は38点となる尺度を作成した。そして,最終日までに全項目が満点となれば最終評価を「優(最高値)」判定とすると約束した。点数付けは1日の終わりに行い,グラフを用いて学生にフィードバックを行った。
【結果】3領域で22項目の行動目標について,介入前の合計点数はABC共に13項目は13点,14項目は14点であった。全行動が「自立・できた」に到達したのは,ABCの順に介入9日,12日,7日であった。学生の感想としては,「点数付け・グラフ化したことで実習中の成果が目に見えた状態で分かりやすかった」,「具体的な評価内容をあらかじめ伝えてもらい,フィードバックを受け改善点が分かりやすかった」,「点数の向上・改善したグラフを確認できたことで,実習へのモチベーションを高めることができた」であった。
【結論】クリニカルクラークシップは失敗の少ない無誤学習であり,患者の権利も保護できるため臨床実習教育に適しているが,さらに実習中の行動目標を明確にして点数化することにより,改善と目標への近接が把握しやすく,実習の動機づけにも有効である可能性がある。
【方法】対象は養成校に在籍する男子学生3名であった。学生A・Bは,養成校4年生・8週間の実習であった。学生Cは,養成校3年生・8週間であり,来年度の春より8週間の臨床実習が控えていた。実習にあたり,当院で行動目標として実習中に経験し獲得を目指す項目を列挙した表を作成し,援助内容と組み合わせて点数付けを行った。項目は,当院で統一して行っている評価13項目と,理学療法補助5項目,理学療法の技術面3項目,学校からの課題2項目,その他4項目の計14項目を各々点数付けした。評価[脳卒中機能評価法,等尺性膝伸展筋力,荷重,片脚立位,Functional Reach Test,Timed Up and Go Test,立ち上がり,10m歩行,6分間歩行距離,Functional balance scale,改訂 長谷川式簡易知能評価スケール,徒手筋力検査,関節可動域検査],理学療法補助(バイタルサイン,筋力トレーニング,関節可動域訓練とストレッチ,装具,平行棒や杖の準備),理学療法の技術面(起居,移乗,トイレの介助),学校からの課題(学校指定のデイリー,出席),その他(朝の掃除,リハ室の片づけ,夕方の掃除,標準予防策)のであった。点数付けの基準について,理学療法評価・補助は見学1点,模倣2点,手伝い3点,自立4点とした。課題とその他は,できた場合は1点,できなかった場合は0点とした。したがって,13項目の合計は52点,14項目の合計は38点となる尺度を作成した。そして,最終日までに全項目が満点となれば最終評価を「優(最高値)」判定とすると約束した。点数付けは1日の終わりに行い,グラフを用いて学生にフィードバックを行った。
【結果】3領域で22項目の行動目標について,介入前の合計点数はABC共に13項目は13点,14項目は14点であった。全行動が「自立・できた」に到達したのは,ABCの順に介入9日,12日,7日であった。学生の感想としては,「点数付け・グラフ化したことで実習中の成果が目に見えた状態で分かりやすかった」,「具体的な評価内容をあらかじめ伝えてもらい,フィードバックを受け改善点が分かりやすかった」,「点数の向上・改善したグラフを確認できたことで,実習へのモチベーションを高めることができた」であった。
【結論】クリニカルクラークシップは失敗の少ない無誤学習であり,患者の権利も保護できるため臨床実習教育に適しているが,さらに実習中の行動目標を明確にして点数化することにより,改善と目標への近接が把握しやすく,実習の動機づけにも有効である可能性がある。