[O-KS-19-5] 磁気加振式温熱治療器による下腹部刺激が経口摂取した流動物の胃内滞留を抑制する
Keywords:磁気加振式温熱治療器, 下腹部刺激, 胃内滞留
【はじめに,目的】
胃食道逆流は食道の刺激により逆流性食道炎を惹起し,強い逆流は誤嚥性肺炎の原因となる。胃食道逆流の予防には胃内容物の胃内滞留時間を減少させることが有効であり,そのためには腸内の蠕動運動を促進する必要がある。マッサージや温熱等による腸への物理刺激は腸内運動を活性化することが報告されているため,胃内滞留にも影響することが期待される。そこで,今回振動や温熱,磁気の物理的刺激を複合的に提供する磁気加振式温熱治療器にて小腸・大腸直上の下腹部を刺激し,その胃内滞留に与える影響を検討した。
【方法】
成人男性6名(年齢28.8±5.4歳,身長170±6.6cm,体重70±7.8kg)を対象に食前の空腹時に実施した。同一の対象者に対して,磁気加振式温熱治療器(マイクロウェルダー,チュウオー社製)を温度42度,振動モード2に設定して下腹部を20分間刺激する介入条件,または治療器と同等の重さの重錘を下腹部に20分間のせたコントロール条件を実施した。その後100mlのとろみを加えた水を摂取し,飲水後15分まで1分毎に超音波エコー(LOGIQS6,GE Healthcare社製)にて胃の直径を計測し,コントロール条件に対する介入条件の効果を解析した。また,この比較検討を昼食前および夕食前両方で実施し,時間帯による効果の違いを分析した。結果は二元配置分散分析で統計学的に解析し,有意水準を5%とした。
【結果】
摂取後の胃直径の最大値および最大値を示す時間において,介入条件による有意な減少を認めた。また,刺激後3分から15分までの間,胃直径において介入条件による有意な減少を認めた。全測定項目における昼夕の差異による有意な差は検出されなかったが,刺激後4分から6分の間の胃直径において交互作用が有意傾向であり(P<0.1),昼の介入が夕方の介入より減少が強くなる傾向を示した。
【結論】
磁気加振式温熱治療器による腸への事前刺激が流動物摂取時の胃内滞留および胃拡大を抑制することが明らかになり,胃食道逆流管理への適用可能性が示唆された。
胃食道逆流は食道の刺激により逆流性食道炎を惹起し,強い逆流は誤嚥性肺炎の原因となる。胃食道逆流の予防には胃内容物の胃内滞留時間を減少させることが有効であり,そのためには腸内の蠕動運動を促進する必要がある。マッサージや温熱等による腸への物理刺激は腸内運動を活性化することが報告されているため,胃内滞留にも影響することが期待される。そこで,今回振動や温熱,磁気の物理的刺激を複合的に提供する磁気加振式温熱治療器にて小腸・大腸直上の下腹部を刺激し,その胃内滞留に与える影響を検討した。
【方法】
成人男性6名(年齢28.8±5.4歳,身長170±6.6cm,体重70±7.8kg)を対象に食前の空腹時に実施した。同一の対象者に対して,磁気加振式温熱治療器(マイクロウェルダー,チュウオー社製)を温度42度,振動モード2に設定して下腹部を20分間刺激する介入条件,または治療器と同等の重さの重錘を下腹部に20分間のせたコントロール条件を実施した。その後100mlのとろみを加えた水を摂取し,飲水後15分まで1分毎に超音波エコー(LOGIQS6,GE Healthcare社製)にて胃の直径を計測し,コントロール条件に対する介入条件の効果を解析した。また,この比較検討を昼食前および夕食前両方で実施し,時間帯による効果の違いを分析した。結果は二元配置分散分析で統計学的に解析し,有意水準を5%とした。
【結果】
摂取後の胃直径の最大値および最大値を示す時間において,介入条件による有意な減少を認めた。また,刺激後3分から15分までの間,胃直径において介入条件による有意な減少を認めた。全測定項目における昼夕の差異による有意な差は検出されなかったが,刺激後4分から6分の間の胃直径において交互作用が有意傾向であり(P<0.1),昼の介入が夕方の介入より減少が強くなる傾向を示した。
【結論】
磁気加振式温熱治療器による腸への事前刺激が流動物摂取時の胃内滞留および胃拡大を抑制することが明らかになり,胃食道逆流管理への適用可能性が示唆された。