[O-SN-01-1] 超低出生体重児のDubowitz評価で示された新生児期からの発達不良
Keywords:超低出生体重児, 発達, Dubowitz評価
【はじめに,目的】
早産児の発達予後は,出生体重が低いほど不良となりやすいと言われている。一方で,早産児の新生児期の神経学的評価は,Dubowitz評価が用いられることが多い。本邦におけるDubowitz評価に関する報告は,極低出生体重児を対象としていることが多く,出生体重が低い超低出生体重児に対象を限局したDubowtiz評価の特徴についての報告はない。本研究は,超低出生体重児の新生児期のDubowitz評価の発達特徴を把握するために,超低出生体重児と極低出生体重児(1000g未満除く)を比較検討した。
【方法】
対象は,2011年4月より2015年3月までに出生,当院新生児医療センターに入院し,理学療法の依頼のあった超低出生体重児37名(A群)と極低出生体重児(1000g未満除く)(B群)53名。低酸素性虚血性脳症,3度以上の脳出血,脳室周囲白質軟化症など画像検査にて重度の発達の障害が予測される症例は除外した。両群において,修正週数37週のDubowitz評価と修正年齢1歳6か月の新版K式発達検査(K式検査)について比較検討した。統計学的処理にはMann-Whitney Utest(有意水準5%)を用いた。
【結果】
K式検査の全領域の発達指数は,B群94.2±10.4に比し,A群86.9±12.0で有意差を認めた。Dubowitz評価の項目別スコアは,A群/B群でtone:6.9±2.1/8.5±1.3,tone patterns:4.5±0.6/4.8±0.4,reflexs:5.4±0.7/5.7±0.5,movements:1.0±0.5/1.2±0.4,abnormal signs:2.0±0.8/2.0±0.8,behavior:4.7±1.5/5.2±1.3,total:24.5±3.0/27.4±2.5であった。B群に比し,A群はtone,reflexs,mevements,totalが有意に低値であった。
【結論】
本研究では,超低出生体重児の修正1歳6か月における発達予後は極低出生体重児と比較し不良であった。さらに新生児期のDubowitz評価も低値であり,新生児期より発達の遅れを示していると考えられた。儀間らは,極低出生体重児の出生体重の大きさとDubowitz評価の各項目やtotalの有意な関係性があることを報告しており追従する結果であった。早産児に対する新生児期からの理学療法としてポジショニングや運動・感覚・認知発達支援などが挙げられており,超低出生体重児の発達予後の改善に向け,新生児期の理学療法の充実をはかる必要性があると考えられた。
早産児の発達予後は,出生体重が低いほど不良となりやすいと言われている。一方で,早産児の新生児期の神経学的評価は,Dubowitz評価が用いられることが多い。本邦におけるDubowitz評価に関する報告は,極低出生体重児を対象としていることが多く,出生体重が低い超低出生体重児に対象を限局したDubowtiz評価の特徴についての報告はない。本研究は,超低出生体重児の新生児期のDubowitz評価の発達特徴を把握するために,超低出生体重児と極低出生体重児(1000g未満除く)を比較検討した。
【方法】
対象は,2011年4月より2015年3月までに出生,当院新生児医療センターに入院し,理学療法の依頼のあった超低出生体重児37名(A群)と極低出生体重児(1000g未満除く)(B群)53名。低酸素性虚血性脳症,3度以上の脳出血,脳室周囲白質軟化症など画像検査にて重度の発達の障害が予測される症例は除外した。両群において,修正週数37週のDubowitz評価と修正年齢1歳6か月の新版K式発達検査(K式検査)について比較検討した。統計学的処理にはMann-Whitney Utest(有意水準5%)を用いた。
【結果】
K式検査の全領域の発達指数は,B群94.2±10.4に比し,A群86.9±12.0で有意差を認めた。Dubowitz評価の項目別スコアは,A群/B群でtone:6.9±2.1/8.5±1.3,tone patterns:4.5±0.6/4.8±0.4,reflexs:5.4±0.7/5.7±0.5,movements:1.0±0.5/1.2±0.4,abnormal signs:2.0±0.8/2.0±0.8,behavior:4.7±1.5/5.2±1.3,total:24.5±3.0/27.4±2.5であった。B群に比し,A群はtone,reflexs,mevements,totalが有意に低値であった。
【結論】
本研究では,超低出生体重児の修正1歳6か月における発達予後は極低出生体重児と比較し不良であった。さらに新生児期のDubowitz評価も低値であり,新生児期より発達の遅れを示していると考えられた。儀間らは,極低出生体重児の出生体重の大きさとDubowitz評価の各項目やtotalの有意な関係性があることを報告しており追従する結果であった。早産児に対する新生児期からの理学療法としてポジショニングや運動・感覚・認知発達支援などが挙げられており,超低出生体重児の発達予後の改善に向け,新生児期の理学療法の充実をはかる必要性があると考えられた。