[O-SP-05-4] 競艇選手のバランス能力と競技成績の関連について
―修正姿勢安定度評価指標を用いての検討―
Keywords:競艇選手, バランス能力, 競技成績
【はじめに,目的】
競技スポーツにおいてバランス能力は重要である。これまでに,競技別および競技レベルごとにバランス能力を比較した報告は多い。しかし,バランス能力と競技成績の関連についての報告は少ない。そもそも,これまでにアスリートのバランス能力を明確に数値化できる指標がなかった。そこで我々は,バランス能力を鋭敏に評価できる修正姿勢安定度評価指標(以下,MIPS)を考案している。MIPSは重心動揺計を用い,閉眼・軟面上立位で行うことにより,バランス難度を高めた評価指標である。様々な競技にMIPSを用いて評価を行い,競技毎にバランスのタイプが存在することを確認している。そして,不安定な水上という環境で操艇を行う競艇競技において,競艇訓練生の教習成績との関連が示唆された。そこで我々はこのMIPSを用いて,今度は実際の競艇選手で,バランス能力と競技成績に関連があるかについて検討を行うこととした。
【方法】
対象は日本モーターボート競走会所属の競艇選手137名(男性129名,女性8名),年齢40.2±8.2歳(24歳~69歳),BMI19.5±1.0。全選手のランクの内訳は,A1級が42名,A2級が41名,B1級が47名,B2級が7名である。バランス評価は動的バランス能力指標としてMIPS,また閉眼片脚立位検査を用いた。MIPSは鈴木らの方法に従い,十分な説明と試技のもと1回の計測を実施した。閉眼片脚立位は左右各2回ずつ,上限を60秒として計測し,左右の平均値を用いた。競技成績は勝率(着順点の合計/出走回数)と定義し,各選手の計測時点での値を用いた。統計解析は各変数の正規性を確認した後に,偏相関分析を用いてバランス能力と勝率の関係性の検討を行った。統計解析ソフトはSPSS(ver.24)を使用し,統計学的有意判定基準は5%未満とした。
【結果】
MIPSと勝率において有意な相関を認め,年齢を調整した偏相関においても有意な相関を認めた(r=0.426,p<0.001)。一方,閉眼片脚立位と競技成績に相関は認められなかった。
【結論】
本研究の結果から,競艇競技における競技成績とMIPSは関連することが明らかになった。すなわち,競艇選手における能力指標としてMIPSが有用である可能性が示唆された。
競技スポーツにおいてバランス能力は重要である。これまでに,競技別および競技レベルごとにバランス能力を比較した報告は多い。しかし,バランス能力と競技成績の関連についての報告は少ない。そもそも,これまでにアスリートのバランス能力を明確に数値化できる指標がなかった。そこで我々は,バランス能力を鋭敏に評価できる修正姿勢安定度評価指標(以下,MIPS)を考案している。MIPSは重心動揺計を用い,閉眼・軟面上立位で行うことにより,バランス難度を高めた評価指標である。様々な競技にMIPSを用いて評価を行い,競技毎にバランスのタイプが存在することを確認している。そして,不安定な水上という環境で操艇を行う競艇競技において,競艇訓練生の教習成績との関連が示唆された。そこで我々はこのMIPSを用いて,今度は実際の競艇選手で,バランス能力と競技成績に関連があるかについて検討を行うこととした。
【方法】
対象は日本モーターボート競走会所属の競艇選手137名(男性129名,女性8名),年齢40.2±8.2歳(24歳~69歳),BMI19.5±1.0。全選手のランクの内訳は,A1級が42名,A2級が41名,B1級が47名,B2級が7名である。バランス評価は動的バランス能力指標としてMIPS,また閉眼片脚立位検査を用いた。MIPSは鈴木らの方法に従い,十分な説明と試技のもと1回の計測を実施した。閉眼片脚立位は左右各2回ずつ,上限を60秒として計測し,左右の平均値を用いた。競技成績は勝率(着順点の合計/出走回数)と定義し,各選手の計測時点での値を用いた。統計解析は各変数の正規性を確認した後に,偏相関分析を用いてバランス能力と勝率の関係性の検討を行った。統計解析ソフトはSPSS(ver.24)を使用し,統計学的有意判定基準は5%未満とした。
【結果】
MIPSと勝率において有意な相関を認め,年齢を調整した偏相関においても有意な相関を認めた(r=0.426,p<0.001)。一方,閉眼片脚立位と競技成績に相関は認められなかった。
【結論】
本研究の結果から,競艇競技における競技成績とMIPSは関連することが明らかになった。すなわち,競艇選手における能力指標としてMIPSが有用である可能性が示唆された。