[O-TK-02-3] 熊本地震におけるJRAT(大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会)活動報告
益城町役場でのリエゾン業務を中心に
Keywords:災害リハビリテーション, JRAT, リエゾン
【はじめに・目的】
H28年4月14日を前震とした熊本地震にてJRATは実質的初の大規模災害支援活動を約3ヶ月行った。15日に益城町の現地調査を行い,県内チーム中心で対応可能と判断したが16日よもやの本震。東京本部,県外チームを加えた延べ約2900名での活動を余儀なくされた。5月23日,私は最も被害が甚大であった益城町に情報収集,現地調査,現地キーパーソンとの情報交換,支援の必要性の判断・決定などを行い,支援チームの活動が効率的に行えるようリエゾンとして派遣された。今回は7月16日JRAT撤退までの活動を報告する。
【方法】
(1)会議への参加
(2)二次避難所,福祉避難所への対応
(3)応急仮設住宅への対応
【結果】
(1)各会議に出席しJRATとして可能な支援活動を啓発し情報収集や提供を行い,内容により本部に連絡し支援体制を整え,支援チームが円滑に活動できるよう調整した。
(2)地域の医療介護サービスが徐々に再開し,二次避難所での個別ケースのニーズは低くなり,施設責任者や保健師,支援団体と共に,避難所全体の自立支援,共助意識の構築を考え活動した。また福祉避難所の巡回をPCATと連携し行った。益城町は要援護者用にトレーラーハウスを全国で初めて導入することとなり,トレーラーハウスの評価を行い,精神障害者,妊産婦,乳幼児のいる家族,感染者(家族),多目的ルームとしての使用を提案した。
(3)一時募集抽選後,保健師から要援護者のスロープ付き仮設住宅への割り振りに関してJRATからも担当課へ提案してほしいとの要望あったが,担当課は混乱しており介入は困難であった。二次募集からは町から要請を受け仮設住宅への対応に協力することとなり,スロープ付き仮設住宅の必要性の判断がしやすいよう申込書の変更を提案し了承を得た。また二次募集抽選後は,保健師から提供された要援護者情報を基に避難所で評価を行いスロープが必要な5世帯を担当課へ情報提供し割り当てて頂いた。初期改修については担当課と連携し初期改修のフローを決め,支援チームが仮設住宅でスムーズに活動出来るよう現場視察,地図や家屋図等の資料を準備し,改修案としては屋内外の手すりなど5団地11世帯21ヶ所を提出した。
【結論】
約2ヶ月間継続した支援を益城町内で行った。町職員や保健師等に必要とされる支援を提案し求められた案件への対応を行い徐々に信頼を得ることができたことで,多くの情報を提供して頂けるようになり効率的かつ円滑な支援活動につながった。今回の活動を通して被災地のマネジメントは地元のリハ職が行うべきだと考えるが,支援活動をコーディネートできる人材を育成し負担を分散することの必要性を感じた。災害リハの最終的な目標は,被災者が自律した生活に戻ることであり,発災直後から復興に向けた一連のリハ支援活動が円滑にできるよう,平時からリハ関連職は地域や行政と良好な関係を構築することが重要である。
H28年4月14日を前震とした熊本地震にてJRATは実質的初の大規模災害支援活動を約3ヶ月行った。15日に益城町の現地調査を行い,県内チーム中心で対応可能と判断したが16日よもやの本震。東京本部,県外チームを加えた延べ約2900名での活動を余儀なくされた。5月23日,私は最も被害が甚大であった益城町に情報収集,現地調査,現地キーパーソンとの情報交換,支援の必要性の判断・決定などを行い,支援チームの活動が効率的に行えるようリエゾンとして派遣された。今回は7月16日JRAT撤退までの活動を報告する。
【方法】
(1)会議への参加
(2)二次避難所,福祉避難所への対応
(3)応急仮設住宅への対応
【結果】
(1)各会議に出席しJRATとして可能な支援活動を啓発し情報収集や提供を行い,内容により本部に連絡し支援体制を整え,支援チームが円滑に活動できるよう調整した。
(2)地域の医療介護サービスが徐々に再開し,二次避難所での個別ケースのニーズは低くなり,施設責任者や保健師,支援団体と共に,避難所全体の自立支援,共助意識の構築を考え活動した。また福祉避難所の巡回をPCATと連携し行った。益城町は要援護者用にトレーラーハウスを全国で初めて導入することとなり,トレーラーハウスの評価を行い,精神障害者,妊産婦,乳幼児のいる家族,感染者(家族),多目的ルームとしての使用を提案した。
(3)一時募集抽選後,保健師から要援護者のスロープ付き仮設住宅への割り振りに関してJRATからも担当課へ提案してほしいとの要望あったが,担当課は混乱しており介入は困難であった。二次募集からは町から要請を受け仮設住宅への対応に協力することとなり,スロープ付き仮設住宅の必要性の判断がしやすいよう申込書の変更を提案し了承を得た。また二次募集抽選後は,保健師から提供された要援護者情報を基に避難所で評価を行いスロープが必要な5世帯を担当課へ情報提供し割り当てて頂いた。初期改修については担当課と連携し初期改修のフローを決め,支援チームが仮設住宅でスムーズに活動出来るよう現場視察,地図や家屋図等の資料を準備し,改修案としては屋内外の手すりなど5団地11世帯21ヶ所を提出した。
【結論】
約2ヶ月間継続した支援を益城町内で行った。町職員や保健師等に必要とされる支援を提案し求められた案件への対応を行い徐々に信頼を得ることができたことで,多くの情報を提供して頂けるようになり効率的かつ円滑な支援活動につながった。今回の活動を通して被災地のマネジメントは地元のリハ職が行うべきだと考えるが,支援活動をコーディネートできる人材を育成し負担を分散することの必要性を感じた。災害リハの最終的な目標は,被災者が自律した生活に戻ることであり,発災直後から復興に向けた一連のリハ支援活動が円滑にできるよう,平時からリハ関連職は地域や行政と良好な関係を構築することが重要である。