[O-YB-02-6] 富士河口湖町における理学療法士による小学校運動器検診支援の取り組み
Keywords:職域拡大, 障害予防, 学校保健
【はじめに,目的】平成28年4月より「学校保健安全法の一部改正」により「運動器等に関する検査を必須項目に追加」され,運動器検診が開始された。これにより,脊柱側彎や胸郭の検査のみならず,四肢や骨・関節の運動器障害についての検査項目が加わり,幼少期からの運動器障害に対する予防の取り組みが理学療法分野においても期待されている。我々は平成26年度より理学療法士による運動器検診の支援を開始し,継続的に活動を実施してきた。これまでの取り組みにおける現状と課題について報告する。
【方法】平成26年度と平成27年度において富士河口湖町の小学校1校(H26:113名,H27:100名)において運動器検診を実施した。運動器検診の内容は,運動器の10年・日本協会の運動器についての調査票を参考に,保護者による調査票(運動器障害の有無,脊柱・胸郭,四肢の状態の確認,身体の柔軟性・可動域を確認する内容,自由記載欄)の記入と障害の疑いのあるものに対して,理学療法士による確認・指導にて行った。平成28年度は検診の義務化により,学校長および養護教員,学校医が実施したため,今後の理学療法士の支援のあり方について関係者と面談を行った。
【結果】運動器検診時に怪我や痛みを抱えていたものは,平成26年度1名,平成27年度2名であった。また,過去1年以内に怪我や痛みを経験したものは平成26年度12名,平成27年度14名であった。柔軟性・可動域の項目においては,体幹を前屈させて指先が床につかないものが22~27%であった。また,自由記載欄には医療機関への受診に関する相談や子供の姿勢の悪さに対する保護者からの意見が2年間で4件報告された。2年間の支援において脊柱側彎症により受診者1名を除いて,専門医の紹介に該当するものはいなかった。平成28年度の関係者との面談においては,障害の判断基準に関する疑問や検診時の教職員の負担などが意見として挙げられた。
【結論】運動器検診の実施は毎年4月~6月の間に行われる。その時点での検診においての障害有訴率は数%であったが,年間を通じて1-2割のものが運動器障害に関与していたと考えられた。運動器障害に関する保護者からの意見も寄せられており,単発的な検診のみでなく,年間を通じた相談・指導などの定期的な介入の必要性が課題として挙げられた。検診の義務化に伴う学校現場の負担増加も危惧され,理学療法士が学校教員や学校医と連携して学校現場に関わり,教員の負担を軽減していく必要性が示唆された。今後,継続的な活動を行う上で,日本理学療法士会での学校保健特別支援教育部門や県士会と連携し,人材の育成にも取り組んでいくことが課題である。
【方法】平成26年度と平成27年度において富士河口湖町の小学校1校(H26:113名,H27:100名)において運動器検診を実施した。運動器検診の内容は,運動器の10年・日本協会の運動器についての調査票を参考に,保護者による調査票(運動器障害の有無,脊柱・胸郭,四肢の状態の確認,身体の柔軟性・可動域を確認する内容,自由記載欄)の記入と障害の疑いのあるものに対して,理学療法士による確認・指導にて行った。平成28年度は検診の義務化により,学校長および養護教員,学校医が実施したため,今後の理学療法士の支援のあり方について関係者と面談を行った。
【結果】運動器検診時に怪我や痛みを抱えていたものは,平成26年度1名,平成27年度2名であった。また,過去1年以内に怪我や痛みを経験したものは平成26年度12名,平成27年度14名であった。柔軟性・可動域の項目においては,体幹を前屈させて指先が床につかないものが22~27%であった。また,自由記載欄には医療機関への受診に関する相談や子供の姿勢の悪さに対する保護者からの意見が2年間で4件報告された。2年間の支援において脊柱側彎症により受診者1名を除いて,専門医の紹介に該当するものはいなかった。平成28年度の関係者との面談においては,障害の判断基準に関する疑問や検診時の教職員の負担などが意見として挙げられた。
【結論】運動器検診の実施は毎年4月~6月の間に行われる。その時点での検診においての障害有訴率は数%であったが,年間を通じて1-2割のものが運動器障害に関与していたと考えられた。運動器障害に関する保護者からの意見も寄せられており,単発的な検診のみでなく,年間を通じた相談・指導などの定期的な介入の必要性が課題として挙げられた。検診の義務化に伴う学校現場の負担増加も危惧され,理学療法士が学校教員や学校医と連携して学校現場に関わり,教員の負担を軽減していく必要性が示唆された。今後,継続的な活動を行う上で,日本理学療法士会での学校保健特別支援教育部門や県士会と連携し,人材の育成にも取り組んでいくことが課題である。