[P-ED-05-4] 当院理学療法科における臨床実習教育方法の再考
~従来型とクリニカル・クラークシップ(CCS)を取り入れた新システムの比較~
Keywords:臨床実習教育, クリニカル・クラークシップ, アンケート
【はじめに,目的】コンプライアンス順守や学生に対するよりよい教育の導入,指導者の負担軽減等の観点から,当院理学療法科において臨床実習教育体制を再考した。いわゆる従来型での実習教育から,2015年度よりクリニカル・クラークシップ(CCS)の形態を全面的に取り入れた実習教育(以下新システム)に移行した。導入から1年経過し,新システムについてその効果の検証と課題の抽出を目的に検討を行った。
【方法】従来型・新システム両方で長期実習の教育を経験したスタッフ7名を対象に,従来型について2015年4月,新システムについて2016年4月にアンケートを実施した。アンケートの項目は,①回答者の経験年数,②回答者の実習指導の経験,③学生の問題点の改善,④指導者の精神的負担,⑤指導者の業務的負担(治療時間以外に指導のために使用した1日の平均時間),⑥学生の負担,⑦指導に時間を要する原因,⑧コンプライアンスへの対応,⑨学生の知識・技術の習得,⑩実習終了時の学生の臨床力,⑪指導者の達成度,⑫教育方法に関する意見。③④⑥⑧~⑪は0~10の11段階,①②⑤⑦は選択式,⑫は自由記載で回答した。
【結果】(11段階評価で回答したものは,新システムで向上した点数を記載する。)①4~6年14%,7~9年29%,10~12年14%,13年以上43%,②1人0%,2~4人57%,5~9人29%,10人以上14%,③情意領域1.4点向上,認知領域0.3点向上,精神運動領域1.0点向上,④2.6点向上,⑤30分未満が従来型14%,新システム86%,⑥5.3点軽減,⑦従来型「学生の考えを引き出す」43%,「発表の準備」29%,新システム「指導者から学生へ患者に関する説明」67%,「発表の準備」17%,⑧「患者さまへの説明と同意」1.1点向上,「学生は指導者の指導・監督の下理学療法を行う」2.9点向上,「学生の法的位置付けに対する配慮」4.9点向上,「指導の質」1.6点向上,「学生への倫理的配慮」1.1点向上,⑨1.6点向上,⑩1.8点向上,⑪1.2点向上,⑫「学生が学べることが増えた」など新システムへの肯定的な意見が11件,「見学実習にならないように注意が必要」「初期評価からの一連の流れを経験しにくい」などの問題提起が5件。
【結論】結果から,新システムは従来型と比較し優れた実習教育方法であることが示唆された。特に,⑧の結果から,患者さまや学生の法的身分に対するコンプライアンス順守がある程度達成された。また,⑥の改善度が高く⑨も改善していることから,学生の負担が軽減し且つ知識・技術をより習得でき,⑤の結果と④の改善度が高いことから,新システムでは指導者の時間的・精神的負担軽減が図られた。今後は,自由記載から得られた課題を検討していくと共に,学生の意見も参考にしながらよりよい実習教育体制を確立していきたい。
【方法】従来型・新システム両方で長期実習の教育を経験したスタッフ7名を対象に,従来型について2015年4月,新システムについて2016年4月にアンケートを実施した。アンケートの項目は,①回答者の経験年数,②回答者の実習指導の経験,③学生の問題点の改善,④指導者の精神的負担,⑤指導者の業務的負担(治療時間以外に指導のために使用した1日の平均時間),⑥学生の負担,⑦指導に時間を要する原因,⑧コンプライアンスへの対応,⑨学生の知識・技術の習得,⑩実習終了時の学生の臨床力,⑪指導者の達成度,⑫教育方法に関する意見。③④⑥⑧~⑪は0~10の11段階,①②⑤⑦は選択式,⑫は自由記載で回答した。
【結果】(11段階評価で回答したものは,新システムで向上した点数を記載する。)①4~6年14%,7~9年29%,10~12年14%,13年以上43%,②1人0%,2~4人57%,5~9人29%,10人以上14%,③情意領域1.4点向上,認知領域0.3点向上,精神運動領域1.0点向上,④2.6点向上,⑤30分未満が従来型14%,新システム86%,⑥5.3点軽減,⑦従来型「学生の考えを引き出す」43%,「発表の準備」29%,新システム「指導者から学生へ患者に関する説明」67%,「発表の準備」17%,⑧「患者さまへの説明と同意」1.1点向上,「学生は指導者の指導・監督の下理学療法を行う」2.9点向上,「学生の法的位置付けに対する配慮」4.9点向上,「指導の質」1.6点向上,「学生への倫理的配慮」1.1点向上,⑨1.6点向上,⑩1.8点向上,⑪1.2点向上,⑫「学生が学べることが増えた」など新システムへの肯定的な意見が11件,「見学実習にならないように注意が必要」「初期評価からの一連の流れを経験しにくい」などの問題提起が5件。
【結論】結果から,新システムは従来型と比較し優れた実習教育方法であることが示唆された。特に,⑧の結果から,患者さまや学生の法的身分に対するコンプライアンス順守がある程度達成された。また,⑥の改善度が高く⑨も改善していることから,学生の負担が軽減し且つ知識・技術をより習得でき,⑤の結果と④の改善度が高いことから,新システムでは指導者の時間的・精神的負担軽減が図られた。今後は,自由記載から得られた課題を検討していくと共に,学生の意見も参考にしながらよりよい実習教育体制を確立していきたい。