[P-ED-13-4] 院外理学療法士を対象とした循環器領域フェローシップ制度の意義
キーワード:循環器, 包括的リハビリテーション, フェローシップ
【はじめに】
循環器疾患は今後増加が予想される疾患群であり医療費の増加が見込まれるなか,包括的心臓リハビリテーションプログラムはエビデンスレベルの高い治療法の一つとして普及が求められている。理学療法士は当分野において重要な役割を果たすことが期待される一方,多職種と協働するために必要な共通知識や臨床技術の獲得については卒後,個々の自己研鑽に多くが委ねられているのが現状である。
吉元らによると,理学療法学の卒前臨床実習教育の到達目標と卒後臨床で求められている技術,知識レベルには乖離が生じており,卒後の臨床教育制度の重要性が指摘されている。
当院では平成23年度から25年度まで,文部科学省の事業として高度医療人材養成を目的とした大学病院職員の心臓周術期の理学療法教育プログラムの構築に取り組んできた。当教育プログラムを院外の理学療法士にも適用し,地域医療への貢献を実践するため平成26年度以降も継続して循環器疾患の専門研修の受入れを実施している。
3次救急を担う病院として超急性期の循環器診療に携わるだけでなく,平成24年から当院に開設された心不全センターと協働することにより,多職種チームおよび地域連携も含めた包括的な心大血管リハビリテーションを実践しながら,心不全パンデミックに対応しうる理学療法士養成を目標に『循環器理学療法研修』を行い,毎年1名の研修終了生を送り出している。
【目的】
卒後専門研修制度に則り循環器理学療法研修を行った理学療法士の資格取得状況や研修終了後の臨床形態について調査し,循環器理学療法研修の妥当性を検討すること。
【方法】
卒後研修制度に則って研修を行った理学療法士の資格取得状況および研修終了後の就職形態を調査した。また,研修終了後の就職先施設上司にアンケート調査を行い,研修制度の有用性について回答を得た。
【結果】
研修修了者は5名。資格取得は当院研修制度修了後の取得も含め心臓リハビリテーション指導士4名(80%),3学会合同呼吸療法認定士3名(60%)が取得した。
研修終了後の就職施設は県外急性期病院2名,県内回復期病院2名,県内実地医家施設1名であった。うち就職先で心大血管リハビリテーション施設の設置・認定に携わった者は2名であった。
また,研修修了後の就職先上司へのアンケートからは概ね研修制度が良好である旨の回答を得た。
【結論】
本研修プログラムは包括的心臓リハビリテーションの全体像を把握し,理学療法の基礎的知識と基本的技術の獲得を促し,各々の医療環境ニーズに応える理学療法士として診療に従事するための臨床研修を行うことができる。また高度急性期医療機関における臨床研修の教育制度モデルとして,病院経営,研修者の経済的負担軽減の観点からも有益である可能性が考えられた。
循環器疾患は今後増加が予想される疾患群であり医療費の増加が見込まれるなか,包括的心臓リハビリテーションプログラムはエビデンスレベルの高い治療法の一つとして普及が求められている。理学療法士は当分野において重要な役割を果たすことが期待される一方,多職種と協働するために必要な共通知識や臨床技術の獲得については卒後,個々の自己研鑽に多くが委ねられているのが現状である。
吉元らによると,理学療法学の卒前臨床実習教育の到達目標と卒後臨床で求められている技術,知識レベルには乖離が生じており,卒後の臨床教育制度の重要性が指摘されている。
当院では平成23年度から25年度まで,文部科学省の事業として高度医療人材養成を目的とした大学病院職員の心臓周術期の理学療法教育プログラムの構築に取り組んできた。当教育プログラムを院外の理学療法士にも適用し,地域医療への貢献を実践するため平成26年度以降も継続して循環器疾患の専門研修の受入れを実施している。
3次救急を担う病院として超急性期の循環器診療に携わるだけでなく,平成24年から当院に開設された心不全センターと協働することにより,多職種チームおよび地域連携も含めた包括的な心大血管リハビリテーションを実践しながら,心不全パンデミックに対応しうる理学療法士養成を目標に『循環器理学療法研修』を行い,毎年1名の研修終了生を送り出している。
【目的】
卒後専門研修制度に則り循環器理学療法研修を行った理学療法士の資格取得状況や研修終了後の臨床形態について調査し,循環器理学療法研修の妥当性を検討すること。
【方法】
卒後研修制度に則って研修を行った理学療法士の資格取得状況および研修終了後の就職形態を調査した。また,研修終了後の就職先施設上司にアンケート調査を行い,研修制度の有用性について回答を得た。
【結果】
研修修了者は5名。資格取得は当院研修制度修了後の取得も含め心臓リハビリテーション指導士4名(80%),3学会合同呼吸療法認定士3名(60%)が取得した。
研修終了後の就職施設は県外急性期病院2名,県内回復期病院2名,県内実地医家施設1名であった。うち就職先で心大血管リハビリテーション施設の設置・認定に携わった者は2名であった。
また,研修修了後の就職先上司へのアンケートからは概ね研修制度が良好である旨の回答を得た。
【結論】
本研修プログラムは包括的心臓リハビリテーションの全体像を把握し,理学療法の基礎的知識と基本的技術の獲得を促し,各々の医療環境ニーズに応える理学療法士として診療に従事するための臨床研修を行うことができる。また高度急性期医療機関における臨床研修の教育制度モデルとして,病院経営,研修者の経済的負担軽減の観点からも有益である可能性が考えられた。