[P-ED-15-3] 当院におけるリハビリテーション科「質を高めるチーム活動」の取り組み
~リハの標準化と質の向上を目指した脳卒中チームの活動について~
Keywords:脳卒中, 標準化, 質の向上
【はじめに】
当院リハビリテーション科(以下リハ科)では個々の学術活動の推進を行ってきたが,リハ職種間の垣根を越えたシステムの見直しや研究活動の相談をする場がなかった。今年度より新たにリハ科「質を高めるチーム活動」を開始した。7つのチームがある中で「脳卒中チーム」の活動について現在までの活動内容と今後の課題について報告する。
【方法】
リハ科スタッフはPT26名OT15名ST7名の計48名で,急性期~生活期まで幅広い分野でリハを行っている。今年度より「質を高めるチーム活動」と称して,7つのリハ分野に分けてチームを作り活動を開始した。チーム毎に構成人数や職種の比率は異なっている。演者は「脳卒中」チームのリーダーとして参加しており,メンバーの構成はPT5名,OT4名,ST2名である。脳卒中チームの活動は毎月1回1時間以内として,現状のリハ部署内でのシステムの見直しや研修参加計画,臨床研究計画など行っている。特に脳卒中領域では,急性期から回復期,生活期と全ての病期で関わる疾患であるが,評価や治療に関してはスタッフそれぞれによって選択されており,まずは「リハの標準化」を目的に活動を行った。
【結果】
従来,当院では脳卒中患者に対する下肢装具の作成について,各担当者が判断していたが,それぞれの装具作成の経験の違いから,装具作成前後に行われている評価や装具の選択の幅に差がみられていた。チーム活動を行った結果,新たに①装具作成までのフローチャートを作成,②装具作成用の評価シートの作成,③歩行動画撮影方法の統一化,④脳卒中認定理学療法士4名と担当者での装具カンファレンスの開催,を行うことが出来た。当院では,電気刺激療法としてNESSH200Ⓡ,NESSL300Ⓡ,IVESⓇの3機種を使用しているが,装具療法同様にスタッフ間で使用方法が統一されていなかった。①電気刺激装置の使用目的の勉強会の開催,②使用方法のデモ,を行った。また,治療技術の向上を目的に,「促通反復療法(以下川平法)」の研修参加や当院での川平法の研修会企画を行った。その他,嚥下障害に対し頚部の電気刺激療法の有効性や機器導入を検討した。
【結論】
当院では今まで,PTOTSTの職種内や配属されている部署間での勉強会やミーティングが行われていたが,従来の職種や部署の中では様々な興味のある分野や得意な分野が分散してしまい,「脳卒中」など1つの領域についてシステムの見直しや臨床研究・学会発表の支援,医療機器の購入の検討などについて行う場がなかった。チーム活動を通じて①装具療法,②電気刺激療法について当院での「リハの標準化」が行えた。更にロボットリハやニューロリハなど新たな治療方法の導入を検討する場として,「質の向上」に繋がると思われる。一方で今後の課題として,「質の向上」というアウトカムの設定が困難な部分をいかに客観的に評価するか,リハ科全体として検討していく必要性がある。
当院リハビリテーション科(以下リハ科)では個々の学術活動の推進を行ってきたが,リハ職種間の垣根を越えたシステムの見直しや研究活動の相談をする場がなかった。今年度より新たにリハ科「質を高めるチーム活動」を開始した。7つのチームがある中で「脳卒中チーム」の活動について現在までの活動内容と今後の課題について報告する。
【方法】
リハ科スタッフはPT26名OT15名ST7名の計48名で,急性期~生活期まで幅広い分野でリハを行っている。今年度より「質を高めるチーム活動」と称して,7つのリハ分野に分けてチームを作り活動を開始した。チーム毎に構成人数や職種の比率は異なっている。演者は「脳卒中」チームのリーダーとして参加しており,メンバーの構成はPT5名,OT4名,ST2名である。脳卒中チームの活動は毎月1回1時間以内として,現状のリハ部署内でのシステムの見直しや研修参加計画,臨床研究計画など行っている。特に脳卒中領域では,急性期から回復期,生活期と全ての病期で関わる疾患であるが,評価や治療に関してはスタッフそれぞれによって選択されており,まずは「リハの標準化」を目的に活動を行った。
【結果】
従来,当院では脳卒中患者に対する下肢装具の作成について,各担当者が判断していたが,それぞれの装具作成の経験の違いから,装具作成前後に行われている評価や装具の選択の幅に差がみられていた。チーム活動を行った結果,新たに①装具作成までのフローチャートを作成,②装具作成用の評価シートの作成,③歩行動画撮影方法の統一化,④脳卒中認定理学療法士4名と担当者での装具カンファレンスの開催,を行うことが出来た。当院では,電気刺激療法としてNESSH200Ⓡ,NESSL300Ⓡ,IVESⓇの3機種を使用しているが,装具療法同様にスタッフ間で使用方法が統一されていなかった。①電気刺激装置の使用目的の勉強会の開催,②使用方法のデモ,を行った。また,治療技術の向上を目的に,「促通反復療法(以下川平法)」の研修参加や当院での川平法の研修会企画を行った。その他,嚥下障害に対し頚部の電気刺激療法の有効性や機器導入を検討した。
【結論】
当院では今まで,PTOTSTの職種内や配属されている部署間での勉強会やミーティングが行われていたが,従来の職種や部署の中では様々な興味のある分野や得意な分野が分散してしまい,「脳卒中」など1つの領域についてシステムの見直しや臨床研究・学会発表の支援,医療機器の購入の検討などについて行う場がなかった。チーム活動を通じて①装具療法,②電気刺激療法について当院での「リハの標準化」が行えた。更にロボットリハやニューロリハなど新たな治療方法の導入を検討する場として,「質の向上」に繋がると思われる。一方で今後の課題として,「質の向上」というアウトカムの設定が困難な部分をいかに客観的に評価するか,リハ科全体として検討していく必要性がある。