[P-ED-16-3] 大学病院と回復期リハビリテーション病院間における人事交流を通じて得られた回復期理学療法に必要な視点
Keywords:病院間人事交流, 急性期理学療法, リスク管理
【はじめに,目的】
急性期病院である鳥取大学医学部附属病院と回復期病院である錦海リハビリテーション病院(以下,当院)との間でリハビリ職員の相互派遣による人事交流研修を開始した。本研修は,互いの病院職員が異なる病期におけるリハビリテーション医療を経験し,地域医療連携の充実に繋がることを目的としている。異なる病期における理学療法を経験し,研修を通じて得た回復期理学療法に必要な視点について考察した。
【活動報告】
研修期間は平成28年4月1日から6月30日までの3ヶ月間であった。期間中に担当した症例は,延べ41例(運動器疾患17例,脳血管疾患14例,呼吸器疾患8例,心大血管疾患2例)であった。研修開始当初,前日に歩行練習を実施した脳梗塞や急性肺炎の患者が翌日に急変し理学療法が中止となる経験をした。また,くも膜下出血や人工股関節置換術など術直後では点滴やドレーン,モニターといったルートの管理にも注意が必要であり,早期離床や運動強度の決定に戸惑うことがあった。患者の容態とその変化を把握するため,理学療法介入直前のカルテ確認やモニタリング機器に関する基本的な扱いが求められた。脳血管疾患では痙攣や誤嚥性肺炎,尿路感染症,運動器疾患では深部静脈血栓症や創部感染といった合併症の管理を行い,離床を促した。
【考察】
急性期における理学療法を進める上で回復期と異なる点は,ベッドサイドにて全身状態が不安定な患者に対して理学療法が開始される点と感じた。石川は,疾患別の発症から回復期病棟入院までの平均日数は2006年以降,脳血管系,整形外科系,廃用症候群のいずれも短縮していると報告している。当院でも,平成27年度(4月~3月)は平均34.8日(n=193),平成28年度(4月~8月)は平均26.7日(n=28)と発症から当院入院までの日数は短縮傾向にある。今後は回復期病院で理学療法を実施する上でもリスク管理として,起き上がりや起立直後など身体の動きに伴うバイタルの変化や全身状態の安定化が図れているのかを観察し評価するといった急性期理学療法に対する知識や技術が求められると考えた。
【結論】
病院間人事交流を通じて,異なる病期における理学療法を経験し,回復期理学療法にも必要な視点について考察した。今後は回復期で理学療法を実施する上でもリスク管理として,起き上がりや起立直後など身体の動きに伴うバイタルの変化や全身状態の安定化が図れているのかを観察し評価するといった急性期理学療法に対する知識や技術が求められると考えた。
急性期病院である鳥取大学医学部附属病院と回復期病院である錦海リハビリテーション病院(以下,当院)との間でリハビリ職員の相互派遣による人事交流研修を開始した。本研修は,互いの病院職員が異なる病期におけるリハビリテーション医療を経験し,地域医療連携の充実に繋がることを目的としている。異なる病期における理学療法を経験し,研修を通じて得た回復期理学療法に必要な視点について考察した。
【活動報告】
研修期間は平成28年4月1日から6月30日までの3ヶ月間であった。期間中に担当した症例は,延べ41例(運動器疾患17例,脳血管疾患14例,呼吸器疾患8例,心大血管疾患2例)であった。研修開始当初,前日に歩行練習を実施した脳梗塞や急性肺炎の患者が翌日に急変し理学療法が中止となる経験をした。また,くも膜下出血や人工股関節置換術など術直後では点滴やドレーン,モニターといったルートの管理にも注意が必要であり,早期離床や運動強度の決定に戸惑うことがあった。患者の容態とその変化を把握するため,理学療法介入直前のカルテ確認やモニタリング機器に関する基本的な扱いが求められた。脳血管疾患では痙攣や誤嚥性肺炎,尿路感染症,運動器疾患では深部静脈血栓症や創部感染といった合併症の管理を行い,離床を促した。
【考察】
急性期における理学療法を進める上で回復期と異なる点は,ベッドサイドにて全身状態が不安定な患者に対して理学療法が開始される点と感じた。石川は,疾患別の発症から回復期病棟入院までの平均日数は2006年以降,脳血管系,整形外科系,廃用症候群のいずれも短縮していると報告している。当院でも,平成27年度(4月~3月)は平均34.8日(n=193),平成28年度(4月~8月)は平均26.7日(n=28)と発症から当院入院までの日数は短縮傾向にある。今後は回復期病院で理学療法を実施する上でもリスク管理として,起き上がりや起立直後など身体の動きに伴うバイタルの変化や全身状態の安定化が図れているのかを観察し評価するといった急性期理学療法に対する知識や技術が求められると考えた。
【結論】
病院間人事交流を通じて,異なる病期における理学療法を経験し,回復期理学療法にも必要な視点について考察した。今後は回復期で理学療法を実施する上でもリスク管理として,起き上がりや起立直後など身体の動きに伴うバイタルの変化や全身状態の安定化が図れているのかを観察し評価するといった急性期理学療法に対する知識や技術が求められると考えた。