The 52st Congress of Japanese Society of Physical Therapy

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日本基礎理学療法学会(JSPTF・JFPT) » ポスター発表

[P-KS-25] ポスター(基礎)P25

Sat. May 13, 2017 12:50 PM - 1:50 PM ポスター会場 (国際展示場 展示ホール8)

日本基礎理学療法学会(JSPTF・JFPT)

[P-KS-25-5] 健常成人男性の歩行・走行における足部内関節運動パターンと速度依存性

藤原 浩樹1,3, 加茂野 有徳2, 関屋 昇2 (1.昭和大学保健医療学部研究科, 2.昭和大学保健医療学部理学療法学科, 3.髙澤整形外科醫院)

Keywords:足部マルチセグメントモデル, 歩行・走行, キネマティクス

【はじめに,目的】

足部は歩行・走行中に重要な役割を担い,足部における疾患は筋腱・骨障害や変形など多岐にわたり,様々な下肢障害の原因となる。足部は多関節構造であるが,従来の動作解析では,解析の簡便さのために,単一の剛体セグメントとして扱われることが多かった。この方法は,複雑な構造を示す足部の三次元的機能の評価としては不十分であり,誤った理解につながる可能性がある。そこで,より詳細な方法として,足部をマルチセグメントとして扱うモデルがLeardini(2007)により考案されて,多くの研究で用いられ,高い再現性が報告されている。しかし,歩行と走行の幅広い速度で,Leardiniの足部モデルを使用して足部セグメントの角度変化を示した研究はまだ認められない。そこで,本研究の目的は,足部をLeardiniのモデルを使用して多関節(3関節)として扱い,各関節のキネマティクスの速度依存性,歩行と走行による違いを明らかにすることとした。

【方法】

対象を神経学的及び整形外科的疾患の既往がなく,明らかな足部変形がない健常成人男性10名とした。運動課題として目標速度50m/分・80m/分・110m/分の歩行,及び140m/分・170m/分の走行を行わせた。計測は,床反力計測及び三次元動作解析装置による標点計測を行った。

【結果】

歩行速度条件間における比較では,前足部関節と後足部関節において矢状面上の動きが歩行速度の上昇に伴い大きくなった(p<0.01)。走行速度条件間の比較では,すべての項目で速度による違いは認められなかった。歩行と走行間の比較では,後足部関節で両者は顕著に異なっており,走行ではより背屈位・外返し位・内転位を示し(p<0.01),総変位角度も大きくなった。中足部関節は立脚期パターンが類似するが,走行ではより背屈位・外返し位・外転位を示し(p<0.01),総変位角度も大きくなった。前足部関節も立脚期パターンが類似し,走行ではより背屈位・内返し位・外転位を示した(p<0.01)。

【結論】

本研究では健常成人男性における足部内の動きを明らかにした。速度依存性は歩行でのみ認められたが,走行の2つの速度間では認められなかった。歩行と走行では関節運動の波形パターンが異なり,走行時にはより大きな衝撃の吸収と前方への推進力が必要となるために足部の各関節が動きを変化させていた。