[P-KS-29-2] ミニチュアダックスフンドの胸椎椎間板ヘルニアに対する術後早期理学療法を実施した一例
Keywords:動物理学療法, 椎間板ヘルニア, 起立・歩行
【はじめに,目的】
近年,動物を家族の一員として迎える家庭が増えている。それに伴い伴侶動物の生活様式,食生活にも大きな変化が出てきており,動物に対するQOLの向上も求められている。様々な疾患の発症により動物のQOLも低下してくると原疾患の治療だけでなくQOLの向上に向けリハビリテーションが重要となってくる。ミニチュアダックスフントは軟骨異栄養犬種と言われ,椎間板ヘルニアが好発すると言われている。動物に対しての理学療法の有用性を検証した。今回,T12/13レベルの胸椎椎間板ヘルニア急性発症により後肢の不全麻痺による感覚及び歩行障害,排尿障害を生じた症例に対し,同部位の片側椎弓切除術施行後に早期理学療法を開始した症例を経験したので報告する。
【方法】
対象は本研究の趣旨を説明し同意を得た9歳7ヶ月の避妊済みのミニチュアダックスフンドである。今回,歩行障害,排尿障害が主訴であり手術,術後理学療法を目的に当院に来院。画像診断により責任病巣に対し片側椎弓切除術を施行し,その後,週1回外来理学療法にて関節可動域訓練,バランス機能訓練,陸上トレッドミル,赤外線レーザー及び鍼治療を併用して開始した。
【結果】
片側椎弓切除術により責任病巣付近の疼痛は改善したが,後肢の不全麻痺,感覚障害,排尿障害に関しては早期の改善は見られなかった。しかし術前評価,術後評価において両側後肢の関節可動域,筋力は比較的保たれており犬座位保持は可能となった。本症例は現在も継続して理学療法を実施しており,感覚障害,排尿障害も改善されつつある状態である。
【結論】
動物理学療法の分野は日本ではまだまだ未知の領域でありEBMも確立されていない。そのため,今回の一症例だけでは信頼性には乏しい。しかし,今回早期の理学療法介入により発症以前と比較し関節可動域,筋力,歩行障害に改善が見られていた為,理学療法の介入が有効であるのではないかと考える。今後は様々な事例の比較,検討が必要であると考える。また動物に対するQOLの概念は飼い主の意向によるところが大きい為,ゴール設定の難しさが今後の課題であると考える。
近年,動物を家族の一員として迎える家庭が増えている。それに伴い伴侶動物の生活様式,食生活にも大きな変化が出てきており,動物に対するQOLの向上も求められている。様々な疾患の発症により動物のQOLも低下してくると原疾患の治療だけでなくQOLの向上に向けリハビリテーションが重要となってくる。ミニチュアダックスフントは軟骨異栄養犬種と言われ,椎間板ヘルニアが好発すると言われている。動物に対しての理学療法の有用性を検証した。今回,T12/13レベルの胸椎椎間板ヘルニア急性発症により後肢の不全麻痺による感覚及び歩行障害,排尿障害を生じた症例に対し,同部位の片側椎弓切除術施行後に早期理学療法を開始した症例を経験したので報告する。
【方法】
対象は本研究の趣旨を説明し同意を得た9歳7ヶ月の避妊済みのミニチュアダックスフンドである。今回,歩行障害,排尿障害が主訴であり手術,術後理学療法を目的に当院に来院。画像診断により責任病巣に対し片側椎弓切除術を施行し,その後,週1回外来理学療法にて関節可動域訓練,バランス機能訓練,陸上トレッドミル,赤外線レーザー及び鍼治療を併用して開始した。
【結果】
片側椎弓切除術により責任病巣付近の疼痛は改善したが,後肢の不全麻痺,感覚障害,排尿障害に関しては早期の改善は見られなかった。しかし術前評価,術後評価において両側後肢の関節可動域,筋力は比較的保たれており犬座位保持は可能となった。本症例は現在も継続して理学療法を実施しており,感覚障害,排尿障害も改善されつつある状態である。
【結論】
動物理学療法の分野は日本ではまだまだ未知の領域でありEBMも確立されていない。そのため,今回の一症例だけでは信頼性には乏しい。しかし,今回早期の理学療法介入により発症以前と比較し関節可動域,筋力,歩行障害に改善が見られていた為,理学療法の介入が有効であるのではないかと考える。今後は様々な事例の比較,検討が必要であると考える。また動物に対するQOLの概念は飼い主の意向によるところが大きい為,ゴール設定の難しさが今後の課題であると考える。