The 52st Congress of Japanese Society of Physical Therapy

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日本基礎理学療法学会(JSPTF・JFPT) » ポスター発表

[P-KS-55] ポスター(基礎)P55

Sun. May 14, 2017 1:00 PM - 2:00 PM ポスター会場 (国際展示場 展示ホール8)

日本基礎理学療法学会(JSPTF・JFPT)

[P-KS-55-1] 立位前方リーチ動作開始における足圧中心の分析
先行随伴性姿勢調節がリーチ距離に与える影響

杉村 雅人1, 谷内 幸喜2, 河﨑 由美子1, 河﨑 政治1, 高橋 保雅1, 木原 幸太1, 赤瀬 亜美1, 中野 涼絵1 (1.総合リハビリテーション伊予病院リハビリテーション部, 2.城西国際大学)

Keywords:先行随伴性姿勢調節, リーチ動作, 足圧中心

【はじめに,目的】立位前方リーチ動作では,随意運動に先行して重心を前方に移動するために足圧中心(以下,COP)を後方へ移動し,続いて体幹の前傾運動が開始される。随意運動に先行し,重心動揺を事前に最小限に抑えるためのフィードフォワード性の姿勢制御を先行随伴性姿勢調節(以下,APAs)という。立位前方リーチ動作について数多く報告されているが,立位前方リーチ動作開始のAPAsについての報告は少ない。よって,本研究の目的は,立位前方リーチ動作開始のCOPを分析し,APAsによるリーチ距離の関連を調査することである。【方法】対象は,健常成人20名(男性8名,女性12名,平均年齢23.2±1.4歳,身長162.3±8.5cm)とした。使用機器はインターリハ社製ゼブリス高機能型圧分布測定システム(以下,WinFDM)を用いてサンプリング周波数100Hzで計測した。動作方法は,WinFDM上で立位を取り,右手を肩屈曲90度にて拳上,足部は肩幅に開いた位置を開始姿勢とし,WinFDM同期カメラのLEDランプを開始合図として,踵が接地面より浮かない状態で最大限リーチ動作(以下,通常課題)を行う。次に,開始姿勢より上前腸骨棘の25cm前方及び大転子の高さに昇降可能な机を設置しリーチ動作(以下,環境設定課題)を行い,それぞれの課題におけるリーチ距離及びCOP後方移動距離を測定した。なお,課題は2回ずつ行いその平均値を採用。リーチ距離(cm)及びCOP後方移動距離(cm)は身長(cm)で正規化し100で乗じた値を分析項目とした。統計学的解析は,課題前後のリーチ距離及びCOP後方移動距離を,データの正規性を確認した後に対応のあるt検定で比較し,リーチ距離とCOP後方移動距離との関連はPearsonの相関係数を用いて解析した。本研究の有意水準は5%未満とした。【結果】リーチ距離において環境設定課題(23.4±4.0%)は通常課題(21.5±3.6%)より有意に増加(p<0.01),COP後方移動距離においては,環境設定課題(0.65±0.36%)は通常課題(0.52±0.29%)より有意な増加(p<0.05)を認めた。リーチ距離とCOP後方移動距離は軽度の相関(r=0.37,p<0.05)を認めた。【結論】立位前方リーチ動作開始のCOP後方移動距離とリーチ距離は関連する可能性が示唆された。またリーチ動作において視覚情報はAPAsに好影響を与えフィードフォワード性の姿勢制御が行いやすくなったと推察される。