The 52st Congress of Japanese Society of Physical Therapy

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日本運動器理学療法学会 » ポスター発表

[P-MT-32] ポスター(運動器)P32

Sat. May 13, 2017 12:50 PM - 1:50 PM ポスター会場 (国際展示場 展示ホール8)

日本運動器理学療法学会

[P-MT-32-4] 腰椎術後理学療法で行うポールウォーキングの意義と有効性

櫻井 理嵩, 重綱 玲南 (片山整形外科記念病院)

Keywords:腰椎術後理学療法, ポールウォーキング, ロコモティブシンドローム

【はじめに,目的】

2008年7月より当院では腰部脊柱管狭窄症(LSS)患者に腰椎後方除圧固定術(PLF)を施行し,2014年より術後の身体活動性の向上を目的としてポールウォーキング(PW)を術後理学療法に導入している。

本研究は,術前より身体機能と活動量が低下したLSS患者の術後身体機能改善と活動量低下対策としてのPWの有効性と意義を2ステップ値とロコモ25値で検証し報告する。

【方法】

対象:2015年1月から2016年3月までにPLFを施行したLSS患者30名。全例術後翌日から退院時までPWを行い,退院後もPWの継続を指導。術後1ヶ月と術後3ヶ月で退院時からのNW継続状況を確認し,PW中断(D)群17名,PW継続(C)群13名の2群で比較検討。

方法:2ステップ測定を術前,術後2日目,術後9日目(退院時),術後1ヶ月と術後3ヶ月で施行。ロコモ25の調査は術前及び術後1ヶ月と術後3ヶ月で実施。結果解析はWilcoxonの順位和検定で実施し,有意水準5%以下とした。

【結果】

2ステップでは術前,術後,退院時,術後1ヶ月,術後3ヶ月でD群は平均値で1.2,1.0,1.24,1.28,1.3となり,各期間での改善率は-15%,18%,7%,2%であった。

C群では平均値で1.07,0.92,1.06,1.18,1.24となり,各期間での改善率は-7%,22%,12%,8%であった。C群は退院時から術後3ヶ月の改善率において有意な差を認めた(p<0.05)。

ロコモ25では術前,術後1ヶ月,術後3ヶ月でD群が平均値25.5,13.8,9.7であり,各期間の差は11.7,4.17であった。C群で44.8,19.6,14.9であり,各期間の差は27.6,5.15であった。C群は術後3ヶ月での有意な改善を認めた(p<0.05)。

【結論】

PWの特徴は多点支持による下肢関節の負担軽減,歩行時不安解消と上下肢・体幹筋の使用による運動効果の増加,バランス能力向上が挙げられる。

C群の2ステップ値における退院時から術後3ヶ月における改善率の有意な差より,PWの実施及び継続は体幹・下肢筋群の筋パワー向上が期待できる。加えてロコモ25値でのC群の術前から術後3ヶ月での差から身体的活動性の向上が示唆された。

PWは,ポールを意識して持つことで体幹上下肢を使用する歩行となる為,全身の神経筋協調運動となり,PW継続により筋パワー能力の向上が見込まれる。退院後も患者自身で実施可能な点からロコモ高値LSS患者の術後の身体機能改善と活動量低下対策に理想的なアイテムだと考える。さらにD群及びC群の2群に加えてPW未実施群との比較も検討していく。