[P-RS-04-1] 呼吸機能低下を認める術前癌患者の身体活動量の実態と呼吸機能,心理面との関係
Keywords:呼吸機能低下, 術前癌患者, 身体活動量
【目的】身体活動量は疾病と死亡率を減少させる因子である。癌患者の規則的な身体活動は,身体組成,身体機能,QOLの維持及び改善につながることができると言われている。癌の外科的処置を受ける患者において術前より高い身体活動を保つことは術後回復や術後肺合併症を予防するために重要である。まして呼吸機能が低下している患者においてはその意味は深い。今回の調査目的は,呼吸機能低下を認める術前癌患者の身体活動量を把握するとともに,呼吸機能,心理面との関係について調査することである。
【方法】対象は当院で癌の手術を予定している患者で術前の呼吸機能検査で機能低下を指摘された16名。平均年齢は73.1±4.2歳,男性14名,女性2名。病名は腎臓癌2名,胃癌4名,膵臓癌1名,肺癌3名,大腸癌5名,食道癌1名。肺機能は,VC3.1±0.7L,VCは100.3±17.0%,FEV1.0は1.7±0.6L,FEV1.0%は59.9±16.7%,%FEV1.0は76.6±19.2Lであった。換気障害の分類は拘束性換気障害1名,閉塞性換気障害14名,混合性換気障害1名であった。全例が独歩可能でADLは自立していた。骨関節障害,脳血管障害を有す者は本調査より除外した。対象者は外来にて身体活動量と心理面の評価を行った。身体活動量の評価は国際標準化身体活動質問紙(International Physical Activity Questionnaire:IPAQ)短縮版,心理面の評価はProfile of mod States(POMS)短縮版を使用した。IPAQにて身体活動量を把握し,身体活動量における呼吸機能,POMSの関係を検討した。統計学的分析として身体活動量における呼吸機能,POMSとの関係について重回帰分析を用いて検討した。従属変数をIPAQにより算出した身体活動量kcal/weekとし,独立変数を呼吸機能(VC,%VC,FEV1.0,FEV1.0%,%FEV1.0),POMS(怒り敵意,混乱当感,抑うつ落ち込み,疲労無気力,緊張不安,活気活力,総合的気分状態)のとした。
【結果】身体活動量は平均815.0±741.5kcal/weekであった。重回帰分析の結果,呼吸機能,POMSの全ての項目において身体活動量を説明することは出来なかった。
【結論】IPAQによる術前患者の身体活動量は,平均815.0±741.5kcal/weekであった。身体活動量が多いと判断される数値が1000 kcal/week以上であることから考えると活動量は低い。今回の調査において呼吸機能,心理面が身体活動量との関係は認めなかったが術前癌患者の身体活動量が,低いことがわかった。今回の結果から,癌術前患者に対する身体活動量を増大にさせるための教育や理学療法プログラムの必要性を認識した。
【方法】対象は当院で癌の手術を予定している患者で術前の呼吸機能検査で機能低下を指摘された16名。平均年齢は73.1±4.2歳,男性14名,女性2名。病名は腎臓癌2名,胃癌4名,膵臓癌1名,肺癌3名,大腸癌5名,食道癌1名。肺機能は,VC3.1±0.7L,VCは100.3±17.0%,FEV1.0は1.7±0.6L,FEV1.0%は59.9±16.7%,%FEV1.0は76.6±19.2Lであった。換気障害の分類は拘束性換気障害1名,閉塞性換気障害14名,混合性換気障害1名であった。全例が独歩可能でADLは自立していた。骨関節障害,脳血管障害を有す者は本調査より除外した。対象者は外来にて身体活動量と心理面の評価を行った。身体活動量の評価は国際標準化身体活動質問紙(International Physical Activity Questionnaire:IPAQ)短縮版,心理面の評価はProfile of mod States(POMS)短縮版を使用した。IPAQにて身体活動量を把握し,身体活動量における呼吸機能,POMSの関係を検討した。統計学的分析として身体活動量における呼吸機能,POMSとの関係について重回帰分析を用いて検討した。従属変数をIPAQにより算出した身体活動量kcal/weekとし,独立変数を呼吸機能(VC,%VC,FEV1.0,FEV1.0%,%FEV1.0),POMS(怒り敵意,混乱当感,抑うつ落ち込み,疲労無気力,緊張不安,活気活力,総合的気分状態)のとした。
【結果】身体活動量は平均815.0±741.5kcal/weekであった。重回帰分析の結果,呼吸機能,POMSの全ての項目において身体活動量を説明することは出来なかった。
【結論】IPAQによる術前患者の身体活動量は,平均815.0±741.5kcal/weekであった。身体活動量が多いと判断される数値が1000 kcal/week以上であることから考えると活動量は低い。今回の調査において呼吸機能,心理面が身体活動量との関係は認めなかったが術前癌患者の身体活動量が,低いことがわかった。今回の結果から,癌術前患者に対する身体活動量を増大にさせるための教育や理学療法プログラムの必要性を認識した。