[P-SK-05-2] Honda歩行アシストを用いた歩行練習が脳卒中患者2例の歩行能力に与える影響
A-B-A-Bデザインを用いて
Keywords:Honda歩行アシスト, 歩行能力向上, 下腿筋活動改善
【はじめに】
当院回復期病棟の脳卒中片麻痺患者2症例に対して,Honda歩行アシスト(以下,歩行アシスト)を用い歩行訓練を実施することで歩行能力の改善が図れた。今回歩行アシストがもたらす効果について考察した。
【方法】
研究デザインはABABデザインシングルケースを用い,歩行アシスト未使用期(以下A1,A2),歩行アシスト使用期(以下,B1,B2)とした。通常のリハビリ介入時間とは別に歩行練習を1日20分,週5回行った。各介入期間最終日にFunctional Balance Scale(以下,FBS),10m歩行テスト,表面筋電図解析(外側広筋,大腿二頭筋,前脛骨筋,内側ヒラメ筋)を測定し比較検討した。
【症例紹介】
症例1は発症から約16週経過の70歳代男性,左被殻出血,右片麻痺でBrunnstrom stage(以下Brs)下肢V,感覚障害はなく歩行は屋内T字杖歩行独歩レベル。
症例2は発症から約12週経過の50歳代女性,橋出血,両麻痺でBrs下肢V(右側下肢が左側下肢に比べ,随意性低下),両側感覚障害あり。介入当初は病棟内車椅子移動から計測終了時は肘つき歩行器見守りレベルであった。
【結果】
症例1はA1からB2にかけFBSが53点から56点,10m歩行テストは時間が12.8秒から10.3秒,歩幅は54cmから59cm,歩行率は94歩/分から100歩/分,歩行速度51m/分から58m/分と全て上昇した。筋電図では歩行アシスト未使用期と比較して使用期において特に下腿の筋活動が低値を示した。
症例2はA1からB2にかけFBSが16点から29点,10m歩行テストは時間が54.3秒から14.4秒,歩幅は23cmから39cm,歩行率は47歩/分から108歩/分,歩行速度11m/分から41m/分と全て上昇した。筋電図では歩行アシスト未使用期と比較して使用期において特に下腿の筋活動が低値を示した。
【考察】
症例1,2の歩行アシスト使用,未使用期の測定結果の相違は,立脚相における下腿の過剰な筋活動の改善が挙げられる。それにより立脚相が延長し,先行研究と同様に股関節角度が拡大したと考えられる。この理由として,股関節のアシスト効果により下腿の過剰な筋活動が抑制されたものと推察する。
【結論】
脳卒中患者に歩行アシストを使用した結果,歩幅,歩行率,歩行速度が上昇した。ほまた各症例の麻痺程度は異なるものの,麻痺側下肢の過剰な筋活動の改善が図れた。
当院回復期病棟の脳卒中片麻痺患者2症例に対して,Honda歩行アシスト(以下,歩行アシスト)を用い歩行訓練を実施することで歩行能力の改善が図れた。今回歩行アシストがもたらす効果について考察した。
【方法】
研究デザインはABABデザインシングルケースを用い,歩行アシスト未使用期(以下A1,A2),歩行アシスト使用期(以下,B1,B2)とした。通常のリハビリ介入時間とは別に歩行練習を1日20分,週5回行った。各介入期間最終日にFunctional Balance Scale(以下,FBS),10m歩行テスト,表面筋電図解析(外側広筋,大腿二頭筋,前脛骨筋,内側ヒラメ筋)を測定し比較検討した。
【症例紹介】
症例1は発症から約16週経過の70歳代男性,左被殻出血,右片麻痺でBrunnstrom stage(以下Brs)下肢V,感覚障害はなく歩行は屋内T字杖歩行独歩レベル。
症例2は発症から約12週経過の50歳代女性,橋出血,両麻痺でBrs下肢V(右側下肢が左側下肢に比べ,随意性低下),両側感覚障害あり。介入当初は病棟内車椅子移動から計測終了時は肘つき歩行器見守りレベルであった。
【結果】
症例1はA1からB2にかけFBSが53点から56点,10m歩行テストは時間が12.8秒から10.3秒,歩幅は54cmから59cm,歩行率は94歩/分から100歩/分,歩行速度51m/分から58m/分と全て上昇した。筋電図では歩行アシスト未使用期と比較して使用期において特に下腿の筋活動が低値を示した。
症例2はA1からB2にかけFBSが16点から29点,10m歩行テストは時間が54.3秒から14.4秒,歩幅は23cmから39cm,歩行率は47歩/分から108歩/分,歩行速度11m/分から41m/分と全て上昇した。筋電図では歩行アシスト未使用期と比較して使用期において特に下腿の筋活動が低値を示した。
【考察】
症例1,2の歩行アシスト使用,未使用期の測定結果の相違は,立脚相における下腿の過剰な筋活動の改善が挙げられる。それにより立脚相が延長し,先行研究と同様に股関節角度が拡大したと考えられる。この理由として,股関節のアシスト効果により下腿の過剰な筋活動が抑制されたものと推察する。
【結論】
脳卒中患者に歩行アシストを使用した結果,歩幅,歩行率,歩行速度が上昇した。ほまた各症例の麻痺程度は異なるものの,麻痺側下肢の過剰な筋活動の改善が図れた。