[P-SK-06-3] 全身振動刺激がバランス能力に与える影響
即時効果での検討
Keywords:全身振動刺激, バランス能力, 即時効果
【はじめに,目的】全身振動刺激(Whole Body Vibration,以下WBV)装置は一定の周波数で支持台を振動させることができる装置である。WBVは当初筋力増強練習に用いられていたが,近年では神経系など様々な作用が報告され,歩行・バランス機能向上に利用されている。しかしながら対象数や対象疾患,刺激の強さや時間などの設定についての検討は十分ではなく,臨床に汎化するためには議論の余地がある。本研究では通所リハサービス利用者のバランス機能向上を目的としたWBV練習導入の前段階として,「WBVがバランス能力に即時的な効果をもたらすのか?」について検討を行った。
【方法】当院通所リハサービス利用者のうち,歩行や立位時に痛みを有さず,院内での歩行が自立している30名を本研究の対象とした。平均年齢は77.6±4.0歳,性別は女性18名,男性12名,要介護状態区分の内訳は要支援1が1名,要支援2が7名,要介護1が7名,要介護2が9名,要介護3が3名,要介護4が3名であった。WBVにはBodyGreen社製BW01を使用した。これは振動周波数が4Hz~13Hzの間で7段階に設定されており,本研究では各対象者が最も快適に感じる周波数を使用した。WBV練習は前方の縦手すりを軽く支持した状態で,見守りにて2分間行い,実施中および実施後に痛みの出現がないか確認した。なお歩行時に下肢装具を使用している場合には,着用したままでWBV練習を行った。バランス能力の評価にはtimed up and go test(以下TUG)を用い,WBV練習の実施前および終了1分後に測定した。分析には対応のあるt検定を用い,WBV練習実施前後のTUGの値を群間比較した。統計学的解析はSPSSver11.5Jを用い,危険率は5%とした。
【結果】WBV練習前のTUGの平均値は16.89秒,練習後は15.39秒であり,練習後に有意に減少した。また,対象者の16名はWBV練習後に足が軽くなったと答え,悪化を訴えるものはいなかった。
【結論】本研究の結果,WBVはバランス能力に即時的な効果をもたらすことがわかった。WBVは鉛直方向への振動により床反力を受けやすくなるため,通常の立位バランス練習よりも足底からの刺激を強く入力することができる。すなわちこの刺激量の増加が姿勢制御に影響し,バランス能力を即時的に改善させたと考えられた。WBV練習は安全に短時間で実施可能であり,実施後の満足度も高いことから,今後はバランス練習として導入し,経時的な変化を検討していきたい。
【方法】当院通所リハサービス利用者のうち,歩行や立位時に痛みを有さず,院内での歩行が自立している30名を本研究の対象とした。平均年齢は77.6±4.0歳,性別は女性18名,男性12名,要介護状態区分の内訳は要支援1が1名,要支援2が7名,要介護1が7名,要介護2が9名,要介護3が3名,要介護4が3名であった。WBVにはBodyGreen社製BW01を使用した。これは振動周波数が4Hz~13Hzの間で7段階に設定されており,本研究では各対象者が最も快適に感じる周波数を使用した。WBV練習は前方の縦手すりを軽く支持した状態で,見守りにて2分間行い,実施中および実施後に痛みの出現がないか確認した。なお歩行時に下肢装具を使用している場合には,着用したままでWBV練習を行った。バランス能力の評価にはtimed up and go test(以下TUG)を用い,WBV練習の実施前および終了1分後に測定した。分析には対応のあるt検定を用い,WBV練習実施前後のTUGの値を群間比較した。統計学的解析はSPSSver11.5Jを用い,危険率は5%とした。
【結果】WBV練習前のTUGの平均値は16.89秒,練習後は15.39秒であり,練習後に有意に減少した。また,対象者の16名はWBV練習後に足が軽くなったと答え,悪化を訴えるものはいなかった。
【結論】本研究の結果,WBVはバランス能力に即時的な効果をもたらすことがわかった。WBVは鉛直方向への振動により床反力を受けやすくなるため,通常の立位バランス練習よりも足底からの刺激を強く入力することができる。すなわちこの刺激量の増加が姿勢制御に影響し,バランス能力を即時的に改善させたと考えられた。WBV練習は安全に短時間で実施可能であり,実施後の満足度も高いことから,今後はバランス練習として導入し,経時的な変化を検討していきたい。