The 52st Congress of Japanese Society of Physical Therapy

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日本小児理学療法学会 » ポスター発表

[P-SN-03] ポスター(小児)P03

Sat. May 13, 2017 12:50 PM - 1:50 PM ポスター会場 (国際展示場 展示ホール8)

日本小児理学療法学会

[P-SN-03-4] 新生児期から早期評価・介入し両親の児の受け入れが良好であった双胎早産児の脳性麻痺症例

松岡 祐美1, 宮原 真理子1, 大池 朱1, 廣間 武彦2, 中村 友彦2 (1.長野県立こども病院リハビリテーション科, 2.長野県立こども病院総合周産期母子医療センター新生児科)

Keywords:新生児, 早期介入, 脳性麻痺

【はじめに】脳性麻痺(CP)は,単胎児よりも双胎児でおよそ12倍多く発生する。CP症例の診断は,重篤な症例をのぞき通常生後6か月以降である。今回,1歳前にCP両麻痺と診断された双胎早産児で,新生児期からの早期評価・介入で,両親の児の受け入れが良好であった症例について報告する。

【症例】<第1子>在胎29週5日,体重1182g出生。人工呼吸器管理期間41日,入院期間67日。日齢20の頭部超音波検査で両脳室周囲高エコー輝度1~2度とされているが,日齢23の頭部MRIでは脳室周囲白質軟化症は確認されなかった。<第2子>在胎29週5日,体重1212g出生。人工呼吸器管理期間31日,入院期間67日。日齢52の頭部MRIで両側最小嚢胞性脳室周囲白質軟化症が確認された。

【評価・介入】<第1子>修正33週2日/修正37週2日/修正51週2日での評価:自発運動(GMs)評価結果はPoor Repertoire(PR)/PR/absence of Fidgety movements(F-),Dubowitz評価結果は24.5点/29.5点/未実施。評価時観察では未熟性が強く,振戦驚愕が頻回で下肢伸展しやすい/上下肢とも力が入りやすい,突発的でぎこちない運動が多い,反りかえりやすく,振戦驚愕が頻回に出現/肩甲帯後退傾向,定頸未,下肢拳上少なく,足部内反位が多い。修正5ヵ月10日/修正1歳1ヵ月4日での新版K式発達検査(K式)結果は姿勢-運動(P-M)88,認知-適応(C-A)83,言語-社会(L-S)82,Total 85/P-M74,C-A87,L-S75,Total81。<第2子>修正33週2日/修正37週2日/修正51週2日での評価:GMs評価結果はPR/PR/F-,Dubowitz評価結果は23点/27.5点/未実施。評価時観察では上肢動きの範囲が狭く単調な運動が多い,未熟性が強く,振戦驚愕が頻回で下肢伸展しやすい/上下肢とも力が入りやすい,突発的で単調な運動が多い,反りかえりやすく,振戦驚愕が頻回に出現,下肢他動運動の被動性高い/全体で単調な動き,肩甲帯後退傾向,定頸未,下肢拳上少なく,下肢同時伸展足部内反位が多い。修正5ヵ月10日/修正1歳0ヵ月29日でのK式結果はP-M80,C-A80,L-S88,Total 82/P-M57,C-A74,L-S76,Total68。両児とも新生児期から介入し,関節可動域練習,発達練習などを実施した。

【結論】第1子はPVLは確認されていないが,新生児集中治療室(NICU)入院中からの定期的な早期評価によりCPと予測され,早期から介入が可能となった。第2子は頭部MRIにてPVLが確認され,NICUから介入した。第1子はGMFCSII,第2子はGMFCSIIIと推測され,両親に対しても早期に医師から今後の発達について説明がされた。そのため,修正1歳前から身障手帳申請,BOTOX治療の準備がスムーズに行えた。出生早期に予後診断を行うことは育児支援を図る上でも大切である。今回,母親への告知も早期に可能となり,その後の受け入れも良好な様子が伺えた。また,早期に診断されたことでリハビリ頻度・内容の変更が可能となり,早期に四つ這いやつかまり立ちを獲得することができた。