The 52st Congress of Japanese Society of Physical Therapy

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日本小児理学療法学会 » ポスター発表

[P-SN-07] ポスター(小児)P07

Sun. May 14, 2017 11:40 AM - 12:40 PM ポスター会場 (国際展示場 展示ホール8)

日本小児理学療法学会

[P-SN-07-3] 保育所における足靴計測調査活動から得られたデータの比較
~足・靴サイズ,フットプリントデータ,アンケート結果より~

今井 大樹, 三上 英里子 (医療法人ひまわり会札樽病院)

Keywords:足サイズ, 靴サイズ, 浮き趾

【はじめに】

子供達の足は身長体重と共に成長に伴い変化し,特に幼児期はその変化は著しい。幼い頃の靴選びは,変化に合わせて購入するべきであるが,実際には成長を見越して大きめのサイズを購入するほか,季節に合わせて購入することも少なくない。この現状を踏まえ,私達は保育所に通う子供達の足計測会を行い,また保護者に対し靴の選び方や履き方の指導,足と靴の知識についての講演・相談会を継続的に年数回実施している。
本研究の目的は,子供達の足・靴について調査した初回と2回目の結果の比較,及び保護者に行ったアンケート結果を併せて報告し,子供達の足元環境と保護者の考え,足靴教育活動の意義について考察する。

【方法】

・対象:保育所に通う園児のうち初回と2回目の調査を実施できた18名(3.5±2歳)及び講演・相談会に参加した保護者15名(アンケート結果について)
・足サイズ計測:荷重位・非荷重位でのサイズ計測(以下実測足サイズ:足長のみ)
・フットプリント:フットプリンター(バウワーファインド社製)を使用し,立位で採取。浮き趾の有無・部位を確認。
※足サイズ計測とフットプリント採取はNPOオーソティックスソサエティーが推奨した手順に則り,一定の技術を習得した者が行った。
・靴評価:現在履いている靴の表記サイズ(以下表記靴サイズ)と中敷を外して実際に計測したサイズ(以下実測靴サイズ)の調査。

【結果】

・実測足サイズと実測靴サイズ差平均値の比較
差の平均値は初回8.89mmに対し,2回目9.97mmであり,初回はやや小さい傾向であったが,2回目はやや増加。
・実測足サイズと実測靴サイズの最大,最小値
最大値は初回33mm,2回目38mm。最小値は初回-12mm,2回目-7mm。
・実測足サイズと実測靴サイズ差からみた履いている靴の傾向
実測足サイズよりも9mm以下の小さめの靴を履いている子供は60%程度。16mm以上の大きめの靴を履いている子供は10~20%であった。
・浮き趾有無の変化(初回から2回目での比較:16名中)
変化なし:5名,増加:3名,減少:8名
・浮き趾部位の変化
増加:3~4趾,減少:2~5趾
・アンケート:季節に合わせた購入が多い。講演前は値段や脱ぎ履きのしやすさなどの回答が多い。講演後はサイズや靴の機能性と答える方が多かった。

【結論】

・大きい靴の子供よりも小さい靴の子供が多い傾向であり,成長に合わせた靴選びが不十分な可能性。成長に合わせたタイミングで靴の購入ができるよう,定期的な計測機会を設ける必要性が考えられる。
・浮き趾は減少している傾向が多く,足靴の知識を得たことで,足趾が使いやすい靴を選ぶきっかけの一つとなった可能性がある。
・アンケートより足靴計測調査活動は,靴の購入に対する意識変化に影響があると思われる。