[P-SP-13-1] 高校男子サッカー部におけるウォーミングアップ及びクールダウン時間が傷害発生頻度に与える影響の検討
キーワード:サッカー, スポーツ傷害, ウォーミングアップ時間
【はじめに,目的】
1年間でのサッカーによるスポーツ傷害発生率(外傷を除く)は3.66%で,様々なスポーツの中では比較的少ないとされている。また傷害発生部位に関して村上らは,膝関節・腰部・足関節で全体の60%以上の傷害発生があると報告している。
これらスポーツ傷害発生の予防に関して,永井らは先行研究でウォーミングアップ(以下,W-up)は予防効果が期待されると述べている。クールダウンは大きな目的の一つに疲労回復の促進が挙げられる。運動による疲労は,傷害や疾病の原因となるため可能な限り素早く疲労を軽減させることは重要であると報告している。
現在,サッカー競技におけるメディカルチェックでW-up及びC-down時間や強度が決定するデータはなく,これらが傷害発生頻度に関係するという報告は極めて少ない。
本研究では,サッカー競技の練習において練習前に実施されているW-up及び練習後に実施されているC-down時間と傷害発生頻度との関連を検討し,障害発生の予防の一助とすることを目的とした。
【方法】
対象は4高校の男子サッカー部員239名とした。アンケートは郵送式で,項目の質問{学年,W-up時間(全体時間,ストレッチ,体操,ジョギング,その他),C-down時間(全体時間,ストレッチ,体操,ジョギング,その他),現在に至るまでの傷害発生回数,傷害部位名および時期からなる。アンケート用紙に自由記載での回答とした。統計処理は対応のないT検定を用いて,傷害経験者と非傷害経験者の練習時間の差異を検討した。またピアソンの積率相関分析を用いて,各練習内容の時間と傷害発生回数との関係についても検討した。統計ソフトはSPSS23を使用し,有意確率は5%未満とした。
【結果】
アンケートの回収率は69%であった。W-up時間に関しては,全体及びその他が最大(60分)で,体操が最小(15分)であった。C-down時間に関しては全体が最大(30分),その他が最小(8分)であった。現在に至るまでのサッカー競技時での傷害発生回数の全体は最大(15回)であり,部位別では足部が最大(1.31回)であった。傷害経験者と非傷害経験者の練習時間は,W-up時間のうちジョギング及び全体で前者が有意に多かった(p<0.05)。そしてW-upのジョギング時間は傷害発生回数のうち,体幹(r=-0.203),足部(r=-0.200)及び全体との間(r=-0.182)で有意な正の相関がみられた。
【結論】
結果では傷害経験者とW-upでのジョギング時間との有意差がみられたことから傷害発生の回数に関連していることが考えられる。このことからW-up時間の調節が必須であり,軽度なものから行った方が効果的とされていることから,ジョギングによる身体的負荷を考慮する必要があると考えられる。
1年間でのサッカーによるスポーツ傷害発生率(外傷を除く)は3.66%で,様々なスポーツの中では比較的少ないとされている。また傷害発生部位に関して村上らは,膝関節・腰部・足関節で全体の60%以上の傷害発生があると報告している。
これらスポーツ傷害発生の予防に関して,永井らは先行研究でウォーミングアップ(以下,W-up)は予防効果が期待されると述べている。クールダウンは大きな目的の一つに疲労回復の促進が挙げられる。運動による疲労は,傷害や疾病の原因となるため可能な限り素早く疲労を軽減させることは重要であると報告している。
現在,サッカー競技におけるメディカルチェックでW-up及びC-down時間や強度が決定するデータはなく,これらが傷害発生頻度に関係するという報告は極めて少ない。
本研究では,サッカー競技の練習において練習前に実施されているW-up及び練習後に実施されているC-down時間と傷害発生頻度との関連を検討し,障害発生の予防の一助とすることを目的とした。
【方法】
対象は4高校の男子サッカー部員239名とした。アンケートは郵送式で,項目の質問{学年,W-up時間(全体時間,ストレッチ,体操,ジョギング,その他),C-down時間(全体時間,ストレッチ,体操,ジョギング,その他),現在に至るまでの傷害発生回数,傷害部位名および時期からなる。アンケート用紙に自由記載での回答とした。統計処理は対応のないT検定を用いて,傷害経験者と非傷害経験者の練習時間の差異を検討した。またピアソンの積率相関分析を用いて,各練習内容の時間と傷害発生回数との関係についても検討した。統計ソフトはSPSS23を使用し,有意確率は5%未満とした。
【結果】
アンケートの回収率は69%であった。W-up時間に関しては,全体及びその他が最大(60分)で,体操が最小(15分)であった。C-down時間に関しては全体が最大(30分),その他が最小(8分)であった。現在に至るまでのサッカー競技時での傷害発生回数の全体は最大(15回)であり,部位別では足部が最大(1.31回)であった。傷害経験者と非傷害経験者の練習時間は,W-up時間のうちジョギング及び全体で前者が有意に多かった(p<0.05)。そしてW-upのジョギング時間は傷害発生回数のうち,体幹(r=-0.203),足部(r=-0.200)及び全体との間(r=-0.182)で有意な正の相関がみられた。
【結論】
結果では傷害経験者とW-upでのジョギング時間との有意差がみられたことから傷害発生の回数に関連していることが考えられる。このことからW-up時間の調節が必須であり,軽度なものから行った方が効果的とされていることから,ジョギングによる身体的負荷を考慮する必要があると考えられる。