The 52st Congress of Japanese Society of Physical Therapy

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日本地域理学療法学会 » ポスター発表

[P-TK-14] ポスター(地域)P14

Sat. May 13, 2017 3:30 PM - 4:30 PM ポスター会場 (国際展示場 展示ホール8)

日本地域理学療法学会

[P-TK-14-1] 講話による自覚症状変化の即時効果

小牧 隼人, 脇本 大樹, 小牧 美歌子, 原野 信人 (馬場病院)

Keywords:講話, 自覚症しらべ, 即時効果

【はじめに,目的】

地域への取り組みを進めるうえで,地域住民へ医学的知識を伝える場が増えて来ている。当院のあるH市では介護者や介護に関心のある方を対象に,介護に関する講話及び交流会を多職種が講師となり年間を通じて開催している。地域住民へ講話を行なう目的の一つとして,聴講者の行動変容が挙げられる。行動変容を促すには,強化刺激となるよう講話を通じて心身の変化を起こし,フィードバックすることが望ましい。今回,「カラダとココロを癒す体操」というテーマで自助・互助への意識付けや体操の実技を取り入れた講話を実施した。そこで,講話により参加者の自覚症状に変化を与えられるのかを明らかにする事を目的に,実施前後の変化を「自覚症しらべ」を用いて調査した。

【方法】

対象は参加された地域住民27名のうち実施前後のデータに欠落を認めなかった15名とした(男性5名,女性10名,平均年齢69.6±7.1歳)。講話は平日の午後に60分で実施し,痛みの概念や感情・姿勢・生活習慣との関係に関する講義と,脊柱や股関節を中心としたセルフエクササイズの実技で構成した。講話実施前後に自記式にて産業疲労研究会が作成した「自覚症しらべ」に回答して頂いた。自覚症しらべは25の質問項目に対し,「全く当てはまらない」から「非常によくあてはまる」の5段階(1~5点)で回答し,各項目はねむけ感,不安感,不快感,だるさ感,ぼやけ感の5群に分類される。統計処理は実施前後の変化をWilcoxonの符号付順位和検定にて危険率5%にて実施した。

【結果】

講話実施前後の平均値±標準偏差(実施前/実施後)は,ねむけ感7.2±0.9/5.5±0.3,不安定感8.2±1.0/5.3±0.3,不快感6.6±0.7/5.2±0.2,だるさ感9.2±1.2/5.7±0.4,ぼやけ感7.1±0.8/5.2±0.2であった。全群で実施前後に有意な差がみられた。25項目中では,いらいらする1.9±1.3/1.1±0.3,目がかわく1.5±0.6/1.1±0.4,おちつかない気分だ1.8±0.9/1.1±0.3,肩がこる2.0±1.1/1.1±0.3,腰がいたい2.4±1.6/1.3±0.5,足がだるい2.0±1.4/1.1±0.4の6項目で実施前後に有意な差が見られた。

【結論】

講義による知識の伝達に加え,セルフエクササイズの実技を行なう事で肩や腰の身体症状に対する効果が得られた。また,いらいらする,おちつかない気分だといった心理面に対しても影響を与えられており,「カラダとココロを癒す」というテーマに沿った効果が得られた。今後は強化刺激としての測定結果の利用方法や,受講後の継続したフォローアップに関して検討していく必要がある。