The 52st Congress of Japanese Society of Physical Therapy

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日本地域理学療法学会 » ポスター発表

[P-TK-15] ポスター(地域)P15

Sat. May 13, 2017 3:30 PM - 4:30 PM ポスター会場 (国際展示場 展示ホール8)

日本地域理学療法学会

[P-TK-15-2] 地域在住高齢者の改訂外出頻度に影響を及ぼす要因
男性と女性との違い

政所 和也1, 大田尾 浩2, 八谷 瑞紀2, 藤原 和彦2, 溝田 勝彦2 (1.医療福祉専門学校緑生館理学療法学科, 2.西九州大学リハビリテーション学部)

Keywords:外出頻度, 地域在住高齢者, 性差

【はじめに,目的】高齢者の外出頻度の低下は身体機能の低下を惹起することが知られている。だが,外出頻度には本人が能動的に外出したとは判断できない通院回数も含まれる。我々は地域在住高齢者を対象に,週に何度外出するかを調査した従来の外出頻度と,その外出頻度から通院回数を除いた改訂外出頻度とを比較検討し,従来の外出頻度と改訂外出頻度とは異なる内容を捉えている可能性があることを指摘した(政所,2016)。しかしながら,男性と女性とでは社会との接点が異なる(西村,2000)ことから,外出頻度や目的は性差を考慮する必要がある。そこで本研究は,改訂外出頻度についてその測定値に影響を及ぼす要因を男女別にて検討した。

【方法】対象は,A市が募集した要介護認定を受けていない地域在住高齢者121名(男性52名:平均年齢75±4歳,女性69名:平均年齢75±4歳)とした。測定項目は,外出頻度と通院回数の他に,握力,片足立ち,大腿四頭筋筋力,足指把持力,30秒間椅子立ち上がりテスト(30-sec chair-stand test:CS-30),5m歩行時間,Timed and up go test(TUG)とした。外出頻度は最近1か月間において,1週間のうち外出する平均的な外出回数から通院回数を減じたものを改訂外出頻度として採用した。その外出頻度は,調査日の直近数か月間の平均的な外出した回数を想起してもらった。また,定期的な通院回数も併せて調査した。統計処理は,男性と女性に分類しそれぞれの改訂外出頻度に影響を及ぼす要因を抽出した。まず,群別に改訂外出頻度と各測定値との関連をスペアマンの相関係数から検討した。次に,従属変数を改訂外出頻度,独立変数は各測定項目とし,ステップワイズ法による重回帰分析にて外出頻度に影響を及ぼす因子を抽出した。なお,有意水準は5%とした。

【結果】改訂外出頻度は男性:5.8±1.7回/週,女性:5.3±2.1回/週であった。ステップワイズ法による重回帰分析の結果,男性の改訂外出頻度に影響を及ぼす要因はCS-30が抽出され(p=0.014),標準偏回帰係数は0.387であった(R2=0.150)。一方,女性の改訂外出頻度に影響を及ぼす要因は片足立ちが抽出され(p=0.033),標準偏回帰係数は0.258であった(R2=0.067)。

【結論】地域在住高齢者を対象に通院回数を除いた改訂外出頻度を調査し,性別に改訂外出頻度に影響を及ぼす要因を検討した。改訂外出頻度に影響及ぼす要因は男性ではCS-30が,女性では片足立ちが選択された。以上の結果から,介護予防を目的とした外出頻度へのアプローチの方法は,男性と女性とでは異なる可能性が示された。本研究結果より,地域在住高齢者の男性は下肢の筋パワーを,女性にはバランス能力を向上することで外出頻度の改善を図れる可能性がある。