[P-TK-17-3] 熊本地震における多様な災害リハビリテーション支援の意義
Keywords:多職種連携, 災害支援, 地域リハビリテーション
【はじめに,目的】
熊本リハビリテーション病院(以下,当院)と菊池地域リハビリテーション広域支援センター(以下,当支援センター)は,震源地に近い位置にある。発災から約1.5ヶ月後,JRAT現地活動本部を熊本機能病院から当院に移動し,災害リハ支援として活動した。被災地では,JRATの他,DMATやJMATを始め,多くの団体が支援しており,避難所や仮設住宅へは多数の来訪者があった。そこで,避難者や行政職員の混乱を避け,他団体や町村の意向に沿いながら時期に応じた支援を実施したので報告する。
【方法】
時期に応じた多様な支援方法として,①JRAT登録病院としての連携・支援。②熊本県復興リハビリテーションセンター(以下,復興リハセンター)との連携・支援(復興リハセンターは,平成28年熊本地震発生に伴い,高齢者等の心身機能の低下を防ぐことを目的に7月14日に設置)。③町村と当支援センターとの連携・支援。
【結果】
①JRAT登録病院としての連携・支援(6月~7月)では,「益城町」は,(1)避難所での支援活動:12日間(6月),(2)仮設住宅への初期改修評価:6日間;9件(7月)であった。「西原村」では,(1)避難所での支援活動:9日間(6月)であった。②復興リハセンターと連携・支援(8月~)では,(1)当院からの派遣は,a)益城町仮設住宅への初期改修評価:6日間;18件(8月),b)南阿蘇村仮設住宅への初期改修評価:1日間;4件(9月)であった。(2)当支援センターからの派遣は,a)大津町仮設住宅への初期改修評価:2日間;4件(10月)であった。③町村と当支援センターの連携・支援(5月~)では,JRATから引き継ぎ,大津町・西原村の意向に沿った支援を実施した。「大津町」では,(1)避難所での支援活動:22日間(5/30~8/9),(2)仮設住宅の初期改修評価:3日間;8件(7/28~8/31),(3)地域支え合い事業との連携・支援(9月~)として,a)大津町地域支え合いセンター運営会議への参加(月1回),b)行政職員と連携し,仮設集会所への支援のための調整役として復興リハセンター活動指定登録3施設と連携を図った。「西原村」では,(1)避難所での支援活動:12日間(7/1~9/2),(2)仮設住宅への初期改修評価:5日間;11件(8/5~9/2),(3)地域リハ活動支援事業との連携・支援(10月~)として,a)行政職員と連携し,仮設集会所への支援のための統一したプランを作成して復興リハセンター活動指定登録3施設と連携を図った。
【結論】
災害における支援は,平成28年7月までにDMATやJMAT,JRATが撤退し,地域に根ざした復興支援が長期的に必要となる。地域リハビリテーション広域支援センターは,介護予防支援に取り組んできたリハスタッフにより他団体や町村のニーズに応じた適切な支援ができる強みがある。
熊本リハビリテーション病院(以下,当院)と菊池地域リハビリテーション広域支援センター(以下,当支援センター)は,震源地に近い位置にある。発災から約1.5ヶ月後,JRAT現地活動本部を熊本機能病院から当院に移動し,災害リハ支援として活動した。被災地では,JRATの他,DMATやJMATを始め,多くの団体が支援しており,避難所や仮設住宅へは多数の来訪者があった。そこで,避難者や行政職員の混乱を避け,他団体や町村の意向に沿いながら時期に応じた支援を実施したので報告する。
【方法】
時期に応じた多様な支援方法として,①JRAT登録病院としての連携・支援。②熊本県復興リハビリテーションセンター(以下,復興リハセンター)との連携・支援(復興リハセンターは,平成28年熊本地震発生に伴い,高齢者等の心身機能の低下を防ぐことを目的に7月14日に設置)。③町村と当支援センターとの連携・支援。
【結果】
①JRAT登録病院としての連携・支援(6月~7月)では,「益城町」は,(1)避難所での支援活動:12日間(6月),(2)仮設住宅への初期改修評価:6日間;9件(7月)であった。「西原村」では,(1)避難所での支援活動:9日間(6月)であった。②復興リハセンターと連携・支援(8月~)では,(1)当院からの派遣は,a)益城町仮設住宅への初期改修評価:6日間;18件(8月),b)南阿蘇村仮設住宅への初期改修評価:1日間;4件(9月)であった。(2)当支援センターからの派遣は,a)大津町仮設住宅への初期改修評価:2日間;4件(10月)であった。③町村と当支援センターの連携・支援(5月~)では,JRATから引き継ぎ,大津町・西原村の意向に沿った支援を実施した。「大津町」では,(1)避難所での支援活動:22日間(5/30~8/9),(2)仮設住宅の初期改修評価:3日間;8件(7/28~8/31),(3)地域支え合い事業との連携・支援(9月~)として,a)大津町地域支え合いセンター運営会議への参加(月1回),b)行政職員と連携し,仮設集会所への支援のための調整役として復興リハセンター活動指定登録3施設と連携を図った。「西原村」では,(1)避難所での支援活動:12日間(7/1~9/2),(2)仮設住宅への初期改修評価:5日間;11件(8/5~9/2),(3)地域リハ活動支援事業との連携・支援(10月~)として,a)行政職員と連携し,仮設集会所への支援のための統一したプランを作成して復興リハセンター活動指定登録3施設と連携を図った。
【結論】
災害における支援は,平成28年7月までにDMATやJMAT,JRATが撤退し,地域に根ざした復興支援が長期的に必要となる。地域リハビリテーション広域支援センターは,介護予防支援に取り組んできたリハスタッフにより他団体や町村のニーズに応じた適切な支援ができる強みがある。