The 52st Congress of Japanese Society of Physical Therapy

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日本地域理学療法学会 » ポスター発表

[P-TK-17] ポスター(地域)P17

Sat. May 13, 2017 3:30 PM - 4:30 PM ポスター会場 (国際展示場 展示ホール8)

日本地域理学療法学会

[P-TK-17-4] 当訪問リハビリテーション事業所の課題に対する取り組みについて
取り組み前後での終了理由比較

澤田 智司1, 田牧 恭一1, 濱條 麻衣1, 森井 謙1, 山本 忠史1, 鵜飼 麻理奈1, 南出 光章1, 柳瀬 仁2 (1.しおりの里デイケアセンター, 2.医療法人碧会)

Keywords:訪問リハ, 教育, 多職種協働

【はじめに,目的】訪問リハビリテーション(以下訪問リハ)は提供内容や役割は利用者によって異なり,高い個別性が求められる。問題点や課題は様々であるため,業務内容はマニュアル化しにくく,訪問リハ従事者にはその個別性に対応する課題解決能力が必要とされる。しかし,当事業所は経験年数が少ないスタッフが多く,課題解決能力が乏しいだけでなく,情報共有や伝達など事業所として多職種協働の役割を担うことができていなかった。そのため,過去の提供内容から課題を抽出し,質の向上につなげることを目的に調査した。


【方法】当訪問リハ事業所を平成24年1月から平成28年9月までに終了した137名を対象とした。その中で平成27年12月までの終了者をA群(95名),平成28年1月以降の終了者をB群(42名)に分け,取り組み前後で比較した。調査項目は年齢,訪問リハ利用期間,主疾患,要介護度,終了理由をカルテより後方視的に調査を行い,各項目について全体に占める割合を算出し,比較した。取り組み課題はA群のカルテから抽出し,「目標設定・方針の再確認」「実施内容の振り返り」「ケアマネージャーとの連絡頻度増加」に着目し,平成28年1月から取り組みを実施した。


【結果】年齢平均はA群80.2±8.8歳,B群80.5歳±7.9歳であった。利用期間はA群7.8±7.5ヶ月,B群16.2±15.9ヶ月であった。主疾患はA群が骨関節疾患35%,脳血管疾患29%,内部疾患23%であり,B群が骨関節疾患36%,脳血管疾患21%,内部疾患21%と両群に大きな差はなかった。要介護度も両群で大きな差はみられなかった。終了理由はA群が本人・家族意向24%,入院18%,死亡17%,目標達成9%,通所移行8%,主治医判断6%,入所5%であり,B群が通所移行24%,目標達成19%,入院14%,本人・家族意向12%,死亡10%,サービス調整7%,入所5%,主治医判断2%であった。


【結論】当事業所では訪問リハとしての目標や方針を明確にできず,積極的に情報共有や連携を行っていない状態であった。個々のスキルや生活期における役割の認識が乏しかったことが要因である。今回取り組みとして挙げた内容は多職種協働においては当たり前のことであるが,改めて重要な要素であることを再認識した。利用者・家族の考えや思いを知り,ケアマネージャーとの情報共有を積極的に図ることで,本来の課題や求められている役割に気付くことができたと考えられる。今後も定期的に振り返りを行い,個々のスキルアップにつながる教育システムを構築していくと共に,多職種協働の役割を担うことができるよう体制の見直しを行っていく。