[P-TK-20-3] 栄養状態が6か月間のレジスタンストレーニングの介入効果に与える影響
地域在住要支援・要介護高齢者による検討
Keywords:栄養状態, レジスタンストレーニング, 地域在住要支援・要介護高齢者
【はじめに,目的】
レジスタンストレーニングと身体機能改善に強い関連があり,安全で,歩行補助具の使用,自立していなくても実施可能である。また,栄養状態と身体機能に強い関連が認められる。このことから,レジスタンストレーニングの介入効果に栄養状態が影響している可能性がある。そのため,栄養状態がレジスタンストレーニングの効果に与える影響を検討する必要がある。そこで,本研究では,レジスタンストレーニングの効果は栄養状態で異なるのか検証を行った。
【方法】
対象は通所リハビリを利用している歩行可能な地域在住要支援・要介護高齢者89名とした。取り込み基準は①介護認定を受けている②65歳以上③歩行が自立している(補助具の使用は可)④週2回以上デイケアを利用している者とした。対象者は60分間のレジスタンストレーニングを週2回,6か月間実施した。運動強度は30%MVCにて実施した。ベースライン時にはBMI,MMSE,Short Physical Performance Battery(以下Pre-SPPB),握力(以下Pre-握力),Mini Nutritional Assessment-Short Form(以下MNA-SF)を測定し,介入後にはSPPB(以下Post-SPPB)と握力(以下Post-握力)を測定した。MNA-SFが12点以上を栄養状態良好群(以下良好群),11点以下を栄養状態不良群(以下不良群)として,レジスタンストレーニングによる介入効果の差を検討した。統計学的分析として,ベースライン時の良好群と不良群の比較には対応のないt検定とχ2検定を実施した。良好群と不良群の介入前後の変化率の比較には共分散分析を実施した。
【結果】
6か月間レジスタンストレーニングを遂行できた対象者は80名(平均年齢:84.8±7.2歳,継続率:89.9%)であった。MNA-SFによると,良好群は28名,不良群は52名であった。良好群と不良群で比較した結果,年齢(p<0.05),BMI(p<0.0001),MMSE(p<0.05),MNA-SF(p<0.0001),Post-SPPB(p<0.0001),Post-歩行速度(p<0.0001),Post-握力(p<0.05)に有意差が認められた。Pre-SPPBとPre-歩行速度,Pre-握力には有意差が認められなかった。年齢,MMSEを共変量として共分散分析を実施した結果,SPPBの変化率に有意差が認められた(F=11.2,p<0.01)。
【結論】
本研究では栄養状態の違いがレジスタンストレーニングの介入効果に与える影響について検討した。その結果,同一内容のレジスタンストレーニングにおいても,栄養状態良好群と栄養状態不良群で変化率に差が認められた。これらの結果は,栄養状態がレジスタンストレーニングの介入効果に影響を与えることを示唆している。本研究の結果より,地域在住要支援・要介護高齢者において,レジスタンストレーニングを行う際は,栄養状態を考慮する必要があると考えられる。
レジスタンストレーニングと身体機能改善に強い関連があり,安全で,歩行補助具の使用,自立していなくても実施可能である。また,栄養状態と身体機能に強い関連が認められる。このことから,レジスタンストレーニングの介入効果に栄養状態が影響している可能性がある。そのため,栄養状態がレジスタンストレーニングの効果に与える影響を検討する必要がある。そこで,本研究では,レジスタンストレーニングの効果は栄養状態で異なるのか検証を行った。
【方法】
対象は通所リハビリを利用している歩行可能な地域在住要支援・要介護高齢者89名とした。取り込み基準は①介護認定を受けている②65歳以上③歩行が自立している(補助具の使用は可)④週2回以上デイケアを利用している者とした。対象者は60分間のレジスタンストレーニングを週2回,6か月間実施した。運動強度は30%MVCにて実施した。ベースライン時にはBMI,MMSE,Short Physical Performance Battery(以下Pre-SPPB),握力(以下Pre-握力),Mini Nutritional Assessment-Short Form(以下MNA-SF)を測定し,介入後にはSPPB(以下Post-SPPB)と握力(以下Post-握力)を測定した。MNA-SFが12点以上を栄養状態良好群(以下良好群),11点以下を栄養状態不良群(以下不良群)として,レジスタンストレーニングによる介入効果の差を検討した。統計学的分析として,ベースライン時の良好群と不良群の比較には対応のないt検定とχ2検定を実施した。良好群と不良群の介入前後の変化率の比較には共分散分析を実施した。
【結果】
6か月間レジスタンストレーニングを遂行できた対象者は80名(平均年齢:84.8±7.2歳,継続率:89.9%)であった。MNA-SFによると,良好群は28名,不良群は52名であった。良好群と不良群で比較した結果,年齢(p<0.05),BMI(p<0.0001),MMSE(p<0.05),MNA-SF(p<0.0001),Post-SPPB(p<0.0001),Post-歩行速度(p<0.0001),Post-握力(p<0.05)に有意差が認められた。Pre-SPPBとPre-歩行速度,Pre-握力には有意差が認められなかった。年齢,MMSEを共変量として共分散分析を実施した結果,SPPBの変化率に有意差が認められた(F=11.2,p<0.01)。
【結論】
本研究では栄養状態の違いがレジスタンストレーニングの介入効果に与える影響について検討した。その結果,同一内容のレジスタンストレーニングにおいても,栄養状態良好群と栄養状態不良群で変化率に差が認められた。これらの結果は,栄養状態がレジスタンストレーニングの介入効果に影響を与えることを示唆している。本研究の結果より,地域在住要支援・要介護高齢者において,レジスタンストレーニングを行う際は,栄養状態を考慮する必要があると考えられる。