[P-YB-03-4] 介護予防教室参加者の基本チェックリストと体力の変化について
キーワード:基本チェックリスト, 介護予防教室, 体力
【はじめに,目的】
基本チェックリストの運動器項目は5項目(以下CL)からなり,3項目以上の該当により二次予防事業の対象となる。運動器の機能向上を目的とした運動プログラムを含む介護予防教室の参加者について,運動・動作の遂行能力および実行状況(体力)の変化について検討した。また,動作の実行状況が改善された者と改善されない者についてその特徴を明らかにすることを目的とした。
【方法】
群馬県みなかみ町において,平成28年4月より3ヶ月間実施した二次予防事業「はつらつ教室」(以下教室)において運動・生活指導を個別に行った。参加者には教室開始時および終了時に体力テストを実施した。体力テスト項目は握力,30秒椅子立ち上がりテスト(以下CS30),Functional Reach Test(以下FR),5m歩行時間(以下5m歩行),Timed Up & Go test(以下TUG),転倒不安感尺度(以下FES),Life-space Assessment(以下LSA)とし,2回の体力テストの結果についてWilcoxson符号順位検定を用いて比較検討をした。また教室終了時にCLの該当数を調査し,Wilcoxson符号順位検定を用いて教室参加前の状況と比較検討した。さらにCL該当項目が減少した者(以下改善者),不変または増加した者(以下非改善者)に分け,Mann-Whitney検定を用いて開始時および終了時の体力テスト結果を比較した。
【結果】
2回の体力テストを実施した解析対象者は18名であり,年齢は78.1±5.7歳であった。教室開始時の体力テスト結果は,握力が24.8±6.1kg,CS30が14.1±2.6回,FRが26.8±2.8cm,5m歩行が3.2±0.7秒,TUGが7.8±1.8秒,FESが16.0±4.4点,LSAが83.8±28.1点であり2回のテスト結果に有意差は認めなかった。CL該当数は教室開始時,3.7±0.7項目から終了時2.7±1.2項目へと有意に改善した(p<0.01)。CLの改善者は12名,非改善者は6名であり,教室終了時のFRにおいて改善者が30.2±6.3cm(中央値27.8),非改善者が24.8±1.6cm(中央値25.4),LSAにおいて改善者が88.7±21.0点(中央値85),非改善者が64.1±21.1点(中央値60.5)とそれぞれ有意差を認めた(p<0.05)。
【結論】
介護予防教室において,体力に改善は認めなくとも,動作の実行状況が改善する参加者が存在する。また,改善者と非改善者ではバランスや生活空間の違いを認める。
基本チェックリストの運動器項目は5項目(以下CL)からなり,3項目以上の該当により二次予防事業の対象となる。運動器の機能向上を目的とした運動プログラムを含む介護予防教室の参加者について,運動・動作の遂行能力および実行状況(体力)の変化について検討した。また,動作の実行状況が改善された者と改善されない者についてその特徴を明らかにすることを目的とした。
【方法】
群馬県みなかみ町において,平成28年4月より3ヶ月間実施した二次予防事業「はつらつ教室」(以下教室)において運動・生活指導を個別に行った。参加者には教室開始時および終了時に体力テストを実施した。体力テスト項目は握力,30秒椅子立ち上がりテスト(以下CS30),Functional Reach Test(以下FR),5m歩行時間(以下5m歩行),Timed Up & Go test(以下TUG),転倒不安感尺度(以下FES),Life-space Assessment(以下LSA)とし,2回の体力テストの結果についてWilcoxson符号順位検定を用いて比較検討をした。また教室終了時にCLの該当数を調査し,Wilcoxson符号順位検定を用いて教室参加前の状況と比較検討した。さらにCL該当項目が減少した者(以下改善者),不変または増加した者(以下非改善者)に分け,Mann-Whitney検定を用いて開始時および終了時の体力テスト結果を比較した。
【結果】
2回の体力テストを実施した解析対象者は18名であり,年齢は78.1±5.7歳であった。教室開始時の体力テスト結果は,握力が24.8±6.1kg,CS30が14.1±2.6回,FRが26.8±2.8cm,5m歩行が3.2±0.7秒,TUGが7.8±1.8秒,FESが16.0±4.4点,LSAが83.8±28.1点であり2回のテスト結果に有意差は認めなかった。CL該当数は教室開始時,3.7±0.7項目から終了時2.7±1.2項目へと有意に改善した(p<0.01)。CLの改善者は12名,非改善者は6名であり,教室終了時のFRにおいて改善者が30.2±6.3cm(中央値27.8),非改善者が24.8±1.6cm(中央値25.4),LSAにおいて改善者が88.7±21.0点(中央値85),非改善者が64.1±21.1点(中央値60.5)とそれぞれ有意差を認めた(p<0.05)。
【結論】
介護予防教室において,体力に改善は認めなくとも,動作の実行状況が改善する参加者が存在する。また,改善者と非改善者ではバランスや生活空間の違いを認める。