[P-YB-04-3] 介護予防におけるフラダンスの効果について
―フラ基本ステップの動作に着目して―
キーワード:フラダンス, 動作解析, 介護予防
【はじめに,目的】現在,要支援者への予防給付と併せて,虚弱高齢者を早期に把握し水際で食い止める介護予防事業が重視されている。我々の先行研究においてフラダンス(以下,フラ)は介護予防における有効な手段であることが示唆されたため,対象者数及び検査項目を増やし,フラが身体機能,運動機能・能力,認知機能,生活に与える効果について検証した。今回はフラの基本ステップ(以下,ステップ)の動作に着目して報告する。
【方法】研究目的に賛同を得られたインストラクター(48歳)に対しVICONによる動作解析を実施した。また,同じく賛同を得られた60・70歳代の女性18名(平均71.4歳)を対象に週1回のフラレッスン(以下,レッスン)を行い,介入前後に18名中希望のあった14名(平均72.4歳)に対し動作解析を実施した。ステップはカオ・カホロの2種とし,フラの独特の動きである骨盤の傾斜に着目した。なお,レッスンは1時間とし,ストレッチ・リズム体操・フラの動きを使った筋力トレーニング・振付を実施した。また,18名全員に対し介入前後に体組成,体力測定,認知機能検査等を実施し,さらに,レッスンの成果を発表する機会を設けた。
【結果】動作解析の希望者のうち本人都合及びレッスン開始後2か月半経過時に体調不良となり継続不可であった2名を除外した高齢者12名とインストラクターの計13名を対象とした。動作解析において,インストラクターはどのステップでも肩をほぼ水平に保ったまま骨盤を左右に傾斜させていた。高齢者は介入前には肩と骨盤が同じように傾斜し体が傾いた状態であったが,介入後6か月では徐々に肩を水平に保つことができるようになり,インストラクターの動きに近づいてきた。
【結論】肩を水平位に保ち骨盤を右方傾斜した場合,腰椎左側屈・右股関節外転・左股関節内転となり左方傾斜ではその逆となる。これらの動きには主に腰方形筋,内腹斜筋,外腹斜筋,腹直筋,脊柱起立筋,中殿筋,小殿筋,大腿筋膜張筋,大内転筋,長内転筋,短内転筋,恥骨筋,薄筋が働いている。インストラクターの動きはこれらの筋を必要に応じて個々にコントロールしている。介入前の高齢者は筋を上手く利用できていないが,レッスンにより徐々に可能となってきた。これらより,フラは体幹・股関節周囲筋を多く使い,またステップに応じて個々に筋を使うため,体幹・股関節周囲筋の筋力維持・強化に有効であると考える。そして,この結果は第51回学術大会で発表した「フラは介護予防の有効な手段である」の裏付けとなる。今後も経時的変化を追うとともに,その他の検査項目との関連性についても検討したい。
【方法】研究目的に賛同を得られたインストラクター(48歳)に対しVICONによる動作解析を実施した。また,同じく賛同を得られた60・70歳代の女性18名(平均71.4歳)を対象に週1回のフラレッスン(以下,レッスン)を行い,介入前後に18名中希望のあった14名(平均72.4歳)に対し動作解析を実施した。ステップはカオ・カホロの2種とし,フラの独特の動きである骨盤の傾斜に着目した。なお,レッスンは1時間とし,ストレッチ・リズム体操・フラの動きを使った筋力トレーニング・振付を実施した。また,18名全員に対し介入前後に体組成,体力測定,認知機能検査等を実施し,さらに,レッスンの成果を発表する機会を設けた。
【結果】動作解析の希望者のうち本人都合及びレッスン開始後2か月半経過時に体調不良となり継続不可であった2名を除外した高齢者12名とインストラクターの計13名を対象とした。動作解析において,インストラクターはどのステップでも肩をほぼ水平に保ったまま骨盤を左右に傾斜させていた。高齢者は介入前には肩と骨盤が同じように傾斜し体が傾いた状態であったが,介入後6か月では徐々に肩を水平に保つことができるようになり,インストラクターの動きに近づいてきた。
【結論】肩を水平位に保ち骨盤を右方傾斜した場合,腰椎左側屈・右股関節外転・左股関節内転となり左方傾斜ではその逆となる。これらの動きには主に腰方形筋,内腹斜筋,外腹斜筋,腹直筋,脊柱起立筋,中殿筋,小殿筋,大腿筋膜張筋,大内転筋,長内転筋,短内転筋,恥骨筋,薄筋が働いている。インストラクターの動きはこれらの筋を必要に応じて個々にコントロールしている。介入前の高齢者は筋を上手く利用できていないが,レッスンにより徐々に可能となってきた。これらより,フラは体幹・股関節周囲筋を多く使い,またステップに応じて個々に筋を使うため,体幹・股関節周囲筋の筋力維持・強化に有効であると考える。そして,この結果は第51回学術大会で発表した「フラは介護予防の有効な手段である」の裏付けとなる。今後も経時的変化を追うとともに,その他の検査項目との関連性についても検討したい。