The 52st Congress of Japanese Society of Physical Therapy

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日本支援工学理学療法学会企画 » シンポジウム

[SK-1] シンポジウム 理学療法の様々な領域に支援工学的視点をどう活かすか

Fri. May 12, 2017 12:50 PM - 3:20 PM B1会場 (東京ベイ幕張ホール No. 1・2)

座長:新田 收(首都大学東京健康福祉学部理学療法学科), 座長:松田 雅弘(城西国際大学福祉総合学部理学療法学科)

日本支援工学理学療法学会企画

[SK-1] 座長より支援工学に何を求めるか,支援工学の役割とは

新田 收1, 松田 雅弘2 (1.首都大学東京健康福祉学部理学療法学科, 2.城西国際大学福祉総合学部理学療法学科)

工学技術の進歩は加速度を増し,理学療法分野においても革新的な変化をもたらしている。特に医療・介護サービスにおける影響は大きい。具体的には,高齢化に対応した福祉用具や装具,治療機器,住宅環境整備の開発が目覚ましいなかで,理学療法士の役割を改めて考えたい。
機器を使用する患者,利用者であるエンドユーザーが求める物・サービスを,私達はいかに提供できるかが重要である。リハビリテーションは横断的な診療科として,各専門分野の多くの患者を担当するため,その障害像も生活習慣も多様であり,どの機器が有用であるかを適切に判断しなくはいけない。ニーズとシーズのミスマッチのように,よいサービスを提供したとしても,不用に終わっては意味がない。我々は進化する支援機器の知識を得て,それを如何に利活用していくかの能力も求められる。
もう一つの側面で,理学療法士は開発分野での活躍も著しい。これにより臨床現場や患者のニーズが多く反映された機器の開発が進んでいる。現場,臨床でのニーズを科学的に分析した上で障害者の福祉機器を開発するために,開発すべき機器を明確に具現化・製品化し,エンドユーザーの快適性を追求していく。そのためには自分の専門以外に,異分野,異業種,基礎研究と応用研究に関わる多くの関連者との水平的な協働が必要である。
日本支援工学理学療法学会では,エンドユーザーに適切な機器提供の支援とともに,機器開発に積極的な関わりが重要と考えている。このため,支援工学の幅広い医工学的知識を必要とする一方,理学療法士として運動学と全般的な臨床知識を身についている必要がある。つまり,ジェネラリストとしての能力が問われる分野といえる。このとき,各専門領域との協力体制を構築する必要がある。本セッションでは,基礎・運動器・神経系・予防の各分野と今後どのように関係を発展させるか,また各分野は我々に何を望むのか,検討を進める。