第6回日本地域理学療法学会学術大会

Presentation information

ポスター

ポスター1

[P] ポスター1

Sat. Dec 14, 2019 3:20 PM - 4:20 PM Poster venue (East Building 3rd floor, D Conference Room)

[P-01] 介護予防教室を通じた地域づくり
~教室から集いの場(自主活動)への支援~

*所 圭吾1、林 俊人1 (1. 自宅(Rise total support))

Keywords:社会参加、自主活動、集いの場

【はじめに・目的】
理学療法士の地域活動が求められている昨今、筆者は同じ志をもつリハ専門職と共に様々な地域支援活動を行っている。平成30年度の市町村事業は、介護予防・健康増進関連教室、通所C、訪問事業、地域リハビリテーション活動支援事業(以下地域リハ活動支援事業)、特定保健指導、ボランティアや運動リーダー育成、市民講座等を行った。地域包括ケアシステムの推進には、自助・互助・共助・公助の4つの視点で一体的に取り組むことが示されており、特に自助・互助では高齢者の社会参加を促進し、住民主体の「通いの場」を創設することも重要視されている。筆者らが担当する教室では、身体的な効果のみならず、保健師等と協働して自主活動化(「集いの場」の構築)と地域のリーダー育成を目標とし、地域づくりにつながる工夫をしている。今回は、その一部を紹介するとともに、活動を通じ得られた経験・知見を報告する。
【方法】
教室の自主活動化のために、①参加者同士の繋がりの強化、②参加者の役割の創出、③身体運動・自己管理の自立、④集団の意義に関する理解、⑤教室の目標課題の達成と個別の目標課題の達成、⑥教室後のフォローアップ を大切にし、それぞれに対し教室の進め方を工夫して実施した。
【結果】
平成30年度に担当した概ね2か月以上の有期教室は15教室(通所C含む)。うち自主活動化を目的とした6教室全てが自主活動化に至った。自主活動化を目的としていなかった教室9教室中4教室も自主活動になり、その他の教室もリーダー育成や地域ボランティアに繋ぐ等、終了後も住民主体の場づくりに寄与した。自主活動後は、地域リハ活動支援事業として年に1~2回の頻度で活動を支援している。
【結論】
講師や運動ボランティアがいなくても自身で活動をする「集いの場」の創設に、教室はきっかけの場の一つである。理学療法士が実施する教室は身体的な課題に対する教室が多く、何かしら体に不安をお持ちの方が散見されるが、自己管理は困難なことも多い。教室では運動の自己管理も含め、自己参加型、自発性を促す方策、仲間意識の構築等、教室を通じて心の活動性も高めることで自主活動化を促すことに一定の成果を得ることができた。リーダーが指導者になりやすい、周辺住民の参加促進など課題も多々存在するが、今後もより多くの地域で、住民が運動を通じて受身的ではなく主体的に活動できる集いの場づくりを進め、社会参加を促進し介護予防に貢献していきたい。当日は、具体的手法を含め発表する。

【倫理的配慮、説明と同意】
今回の発表にあたり、関連機関に口頭にて確認をし、本発表で個人情報を使用しないこと、かつ個人が特定されることのないこと、それにより不利益を被ることはないことを説明し、同意を得た。