[P-03] 地域在住高齢者に対する1年間継続したパワーリハビリ事業の効果検証
Keywords:パワーリハビリ事業、1年、地域在住高齢者
【はじめに、目的】
当センターでは、平成26年度から船橋市より指定管理を受け、市内在住の65歳以上高齢者(または要介護認定を受けた40歳以上の方)を対象に介護予防を目的とした3ヵ月間15名定員のマシントレーニングを中心としたパワーリハビリ教室を年4回開催している。3ヶ月参加後も運動習慣の継続ならびに獲得した身体機能の維持を目的に、卒業者を対象としたパワーリハビリフォローアップ事業(以下、フォロー)を行っている。フォローは1回定員30名に対して主に健康運動指導士または理学療法士が2名体制となるように配置し、週5日・8枠で1回1時間半提供している。1人当たり250円の実費負担(保険外)で、最大週2回の利用が可能なサービスである。3ヶ月以上利用が途絶えると名簿から登録を削除されるが、それ以外の卒業はなく、概ね無期限のサービスとなっており、現在(2019年3月時)のフォロー登録者は227名(男性93名、女性134名、平均年齢78.1±5.9歳)となっている。当法人が指定管理を受ける前から同サービスを市が運営しており、長く利用されている利用者では10年を超える利用者もいる。スタッフは体調管理や転倒予防などの安全性の確保のため見守りを行いながら、運動フォームの指導や自主トレ指導、負荷量の調整などに携わり、年に1回のペースで身体機能評価を行っている。国内の先行研究では、地域在住高齢者に対する月単位の関わり報告は近年増加しているが、年単位での関わり報告は多くない。そこで今回、予防を目的に実施している本事業において、その効果を検証し日々の業務の見直し、事業の目的が果たせているかどうかの確認を行ったので報告する。
【方法】
フォロー全登録者227名のうち、2017年4月~2019年3月の期間で、年1回、計2回の身体機能評価を行うことができた、51名(男性27名、女性24名、平均年齢79.3±5.0歳)を対象としてデータ分析を行った。対象者のサービス利用頻度は平均6.1回/月。身体機能評価の測定項目・方法は厚生労働省の介護予防事業マニュアルに添って、①握力、②TUG、③5m快適歩行、④5m最速歩行、⑤片脚立位保持の5項目を測定。各項目の1年前後のデータを、対応のあるt検定を用いて比較を行った。有意水準は5%とした。
【結果】
身体機能の変化として、①~⑤の5項目すべてにおいて1年前後のデータに有意差はみられなかった。対象の利用頻度は週1~2回であり、予防領域では利用日以外の生活様式などが個人によりばらつき、利用者の身体機能に与える影響は多岐にわたるため、研究の限界とも考えられるが、1年後の身体機能として維持されていることは当事業の目的通りであり、意義深いと考える。
【結論】
地域在住高齢者に対して、マシントレーニングを中心とした予防事業を実施しており、1年後の身体機能維持に寄与している可能性が示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究はヘルシンキ宣言に従い、船橋市リハビリセンター倫理委員会の承認を得て実施。
当センターでは、平成26年度から船橋市より指定管理を受け、市内在住の65歳以上高齢者(または要介護認定を受けた40歳以上の方)を対象に介護予防を目的とした3ヵ月間15名定員のマシントレーニングを中心としたパワーリハビリ教室を年4回開催している。3ヶ月参加後も運動習慣の継続ならびに獲得した身体機能の維持を目的に、卒業者を対象としたパワーリハビリフォローアップ事業(以下、フォロー)を行っている。フォローは1回定員30名に対して主に健康運動指導士または理学療法士が2名体制となるように配置し、週5日・8枠で1回1時間半提供している。1人当たり250円の実費負担(保険外)で、最大週2回の利用が可能なサービスである。3ヶ月以上利用が途絶えると名簿から登録を削除されるが、それ以外の卒業はなく、概ね無期限のサービスとなっており、現在(2019年3月時)のフォロー登録者は227名(男性93名、女性134名、平均年齢78.1±5.9歳)となっている。当法人が指定管理を受ける前から同サービスを市が運営しており、長く利用されている利用者では10年を超える利用者もいる。スタッフは体調管理や転倒予防などの安全性の確保のため見守りを行いながら、運動フォームの指導や自主トレ指導、負荷量の調整などに携わり、年に1回のペースで身体機能評価を行っている。国内の先行研究では、地域在住高齢者に対する月単位の関わり報告は近年増加しているが、年単位での関わり報告は多くない。そこで今回、予防を目的に実施している本事業において、その効果を検証し日々の業務の見直し、事業の目的が果たせているかどうかの確認を行ったので報告する。
【方法】
フォロー全登録者227名のうち、2017年4月~2019年3月の期間で、年1回、計2回の身体機能評価を行うことができた、51名(男性27名、女性24名、平均年齢79.3±5.0歳)を対象としてデータ分析を行った。対象者のサービス利用頻度は平均6.1回/月。身体機能評価の測定項目・方法は厚生労働省の介護予防事業マニュアルに添って、①握力、②TUG、③5m快適歩行、④5m最速歩行、⑤片脚立位保持の5項目を測定。各項目の1年前後のデータを、対応のあるt検定を用いて比較を行った。有意水準は5%とした。
【結果】
身体機能の変化として、①~⑤の5項目すべてにおいて1年前後のデータに有意差はみられなかった。対象の利用頻度は週1~2回であり、予防領域では利用日以外の生活様式などが個人によりばらつき、利用者の身体機能に与える影響は多岐にわたるため、研究の限界とも考えられるが、1年後の身体機能として維持されていることは当事業の目的通りであり、意義深いと考える。
【結論】
地域在住高齢者に対して、マシントレーニングを中心とした予防事業を実施しており、1年後の身体機能維持に寄与している可能性が示唆された。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究はヘルシンキ宣言に従い、船橋市リハビリセンター倫理委員会の承認を得て実施。