[P-27] 通所リハビリテーション卒業に向けての早めの働きかけ -スケジュール表を用いて-
キーワード:社会参加、通所リハビリテーション、地域高齢者
【はじめに・目的】平成27年度の介護報酬改定により、通所リハビリテーション(以下:通所リハ)では社会参加支援加算が新設され、利用者が通所リハを卒業し地域のサロンや通所介護へ移行することが評価された。しかし当施設では、計画的な移行はこれまでほとんど進んでいない。その要因として長期利用者が多いこともあげられる。今回新規利用者に対し、早めの働きかけを行うことで通所介護への移行に繋げることができたため、その取り組みを報告する。
【症例紹介】対象は70歳代男性。HXX年4月に頸椎症性脊髄症発症。5月手術後右上肢麻痺を認める。7月退院となり、当施設通所リハ利用開始となる。性格はまじめ,初回認定要介護度3,HDS-R29/30点,Barthel Index95/100点,減点項目入浴一部介助,短期目標は右上肢が動いて背中が洗える。ADLが概ね自立している本症例を卒業方向で検討した。
【経過】利用開始2週間の時点で施設担当者間で話し合い、短期集中リハビリテーションが終了となる3か月後の卒業を目指して月単位のスケジュール表を作成した。利用開始 1ヶ月目:現状把握し早期より運動に対する動機付けを行い、自宅環境で行えるプログラムを提供し運動習慣の確保を促した。カードで施設利用時に進行状況の確認を行い、結果として自主練習は3ヶ月間継続した。2か月目:短期集中リハビリテーション終了後の直接介入のリハビリ時間が減少することや日常生活動作がほぼ自立で次回の認定更新で要支援になる可能性が高いことなどを伝え、通所介護へ移行は次のステップへ進む前向きな方向性であることを伝えた。その際、状態変化等があった際は通所リハの再利用が可能なこと、移行後の状況把握に当施設から伺うことを伝え本人も納得し、短期集中的に取り組む気持ちとなった。支援相談員からは担当介護支援専門員に随時状況報告を行った。また実際に来所して頂き、現在の心身状態・活動を確認して頂き、その際に3か月以降の上肢回復が難しいことも伝えた。さらに運動機器があり、要支援でも利用でき、同じレベルの方と切磋琢磨できる通所介護施設を利用することで本人の機能の維持・向上に繋がることを伝えた。本人・家族・介護支援専門員含め担当者全てが卒業に合意し、今後の通所介護施設の検討に入った。3ヶ月目:通所介護のお試し利用を行った。本人は満足し、通所介護職員を含めたサービス担当者会議を行った。11月当施設通所リハを卒業し、通所介護に移行となった。利用終了3ヶ月以降も継続できている。当初より対象者は機能レベルが高く、インテークの段階から卒業も想定した見通しを共有することができた。
【結論】新規利用者に対し、担当者間で話し合い、卒業を目指した3ヶ月のスケジュールを作成することで早めの働きかけや適切な働きかけの時期を逆算して検討できた。またそれぞれの時期の目標を施設内で共有することで、統一した自立支援の視点で介入できた。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究はヘルシンキ宣言に則り、当院研究倫理委員会の承認を得て実施した。対象には説明のうえ文書同意を得た。
【症例紹介】対象は70歳代男性。HXX年4月に頸椎症性脊髄症発症。5月手術後右上肢麻痺を認める。7月退院となり、当施設通所リハ利用開始となる。性格はまじめ,初回認定要介護度3,HDS-R29/30点,Barthel Index95/100点,減点項目入浴一部介助,短期目標は右上肢が動いて背中が洗える。ADLが概ね自立している本症例を卒業方向で検討した。
【経過】利用開始2週間の時点で施設担当者間で話し合い、短期集中リハビリテーションが終了となる3か月後の卒業を目指して月単位のスケジュール表を作成した。利用開始 1ヶ月目:現状把握し早期より運動に対する動機付けを行い、自宅環境で行えるプログラムを提供し運動習慣の確保を促した。カードで施設利用時に進行状況の確認を行い、結果として自主練習は3ヶ月間継続した。2か月目:短期集中リハビリテーション終了後の直接介入のリハビリ時間が減少することや日常生活動作がほぼ自立で次回の認定更新で要支援になる可能性が高いことなどを伝え、通所介護へ移行は次のステップへ進む前向きな方向性であることを伝えた。その際、状態変化等があった際は通所リハの再利用が可能なこと、移行後の状況把握に当施設から伺うことを伝え本人も納得し、短期集中的に取り組む気持ちとなった。支援相談員からは担当介護支援専門員に随時状況報告を行った。また実際に来所して頂き、現在の心身状態・活動を確認して頂き、その際に3か月以降の上肢回復が難しいことも伝えた。さらに運動機器があり、要支援でも利用でき、同じレベルの方と切磋琢磨できる通所介護施設を利用することで本人の機能の維持・向上に繋がることを伝えた。本人・家族・介護支援専門員含め担当者全てが卒業に合意し、今後の通所介護施設の検討に入った。3ヶ月目:通所介護のお試し利用を行った。本人は満足し、通所介護職員を含めたサービス担当者会議を行った。11月当施設通所リハを卒業し、通所介護に移行となった。利用終了3ヶ月以降も継続できている。当初より対象者は機能レベルが高く、インテークの段階から卒業も想定した見通しを共有することができた。
【結論】新規利用者に対し、担当者間で話し合い、卒業を目指した3ヶ月のスケジュールを作成することで早めの働きかけや適切な働きかけの時期を逆算して検討できた。またそれぞれの時期の目標を施設内で共有することで、統一した自立支援の視点で介入できた。
【倫理的配慮、説明と同意】
本研究はヘルシンキ宣言に則り、当院研究倫理委員会の承認を得て実施した。対象には説明のうえ文書同意を得た。