第6回日本地域理学療法学会学術大会

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ポスター2

[P] ポスター2

2019年12月14日(土) 16:30 〜 17:30 ポスター会場 (東館3階 D会議室)

[P-40] 当法人における訪問リハビリテーションのOJT評価表作成の試み

*松原 徹1,2 (1. 医療法人社団 輝生会 本部、2. 医療法人社団 輝生会 在宅総合ケアセンター成城)

キーワード:訪問リハ教育、客観性、OJT評価表

【背景】
昨今、療法士は急激な増員に伴い、専門職経験の若年化や卒前・卒後教育体制が未整備の中で患者・利用者の対応に追われており、リハビリテーション(以下、リハ)の質の低下が懸念される。日本理学療法士協会白書(2010)では、卒後直後の理学療法士は、応用的業務が可能な割合が低下し、多くの助言を要する割合が増加傾向にあると指摘しており、リハの質の確保が急務となっている。その中において宮田(2018)は、訪問リハビリテーション(以下、訪問リハ)は業務の特殊性から教育体制が十分ではないと指摘し、斎藤ら(2010)は、訪問リハの教育研修の機会が少なく、環境整備の重要性を指摘している。当法人は、96名(PT:46、OT:36、ST:14)の療法士が訪問リハに従事している。数年前より、教育の一環として訪問リハOn the Job Training(以下、OJT)を実施しているが、客観性に乏しく、OJT対象者の選定や実施頻度、評価項目や評価段階、フィードバック方法は平準化しておらず課題であった。そのため、OJT対象者の課題の明確化、及び訪問リハ従事者の課題の傾向を把握することを目的とし、輝生会版訪問リハOJT評価表の作成を試みた。
【訪問リハOJT評価表の概要】
OJT対象者は訪問リハ従事後1年未満の療法士とし、実施期間は従事後1カ月、6カ月、12カ月とした。
輝生会版訪問リハOJT評価表は、基礎スキルと臨床能力からなる。基礎スキルは、社会人としてのマナーなど、訪問リハに必要な最低限の準備を確認する項目とし、自己の対応について振り返る機会とした。また、臨床能力は、訪問リハに必要な基本的臨床技能の習熟度確認・向上に視点を置き、それらの評価を目的とする。項目は、第53回日本理学療法学術研修大会㏌茨城の臨床技能評価で使用された実際の患者診療評価(Mini-Clinical Evaluation Exercise;mini-CEX)を一部改変し、利用者理解、評価、コミュニケーション能力、臨床判断、臨床姿勢、マネジメント、総合の7項目とし、その習熟度を5段階で評価する。評価段階は5:模範的、4:標準以上で主体的・応用的、3:標準的、2:受身的・依存的で要努力、1:問題的の5段階とした。
【OJT実施手順】
対象者は、事前に良く理解している担当ケース1例を選択する。OJT前に選択したケースの最新のリハ総合実施計画書を印刷し、評価者に渡す。対象者は、利用者の現病歴や生活状況、訪問リハの目的等を簡単に説明する。OJT後、評価結果を対象者へフィードバックする。まず診療記録がSOAPで正しく記載されているか、適切な評価が選択・実施されているかなどOJTで評価できない部分を確認する。その後、基礎スキル、臨床能力の項目に沿ってフィードバックをする。
【今後の課題】
OJT評価表の評価内容の妥当性の検討と再現性についての検討が必要と考えられる。また、訪問リハOJTを実施する場合、各専門職の職能評価やアプローチに関しての教育をどのようにするかは継続課題である。

【倫理的配慮、説明と同意】
医療法人社団 輝生会 在宅総合ケアセンター成城の研究倫理委員会の承認を得た。(承認番号:成2019-02)