第6回日本地域理学療法学会学術大会

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ポスター

ポスター4

[P] ポスター4

Sun. Dec 15, 2019 1:40 PM - 2:40 PM Poster venue (East Building 3rd floor, D Conference Room)

[P-86] 自立支援を促していくための当施設での取り組み

*二階堂 健史1 (1. 遠山病院 通所リハビリテーション鷹匠小路)

Keywords:自立支援、参加、目標

【はじめに・目的】2018年度の介護報酬改定の議論の中で、「自立支援」という言葉が頻回に取り上げられている。その中で身体機能の維持・向上という面だけでリハビリを行うのではなく、リハビリを行ったその先に、どんな可能性が広がっているのかを考えることが、重要になる。そのような考えの元、当施設で取り組んだ「調理実習」「岩手山ろくファミリーマラソン COGYの部」において、その参加がきっかけで利用者の行動変容がみられたので、その経過を報告する。
【方法】調理実習は、自宅で調理を担っている、あるいは興味があるといった希望者8名で実施した。4人1組2グループに分け、元調理師であった利用者2名を各グループのリーダーとして行った。メニューや必要物品、食材は利用者同士で話し合い、決定。当日のタイムスケジュールも利用時間3時間10分の間で調理、食事、後片付けまでできるよう役割分担を利用者同士で検討し、行った。調理実習当日までのリハビリは、個々の利用者の身体機能を考慮したプログラム、例えば片手での皮むきや立位バランス練習など調理場面を想定して実施し、備えた。
岩手山ろくファミリーマラソンは今年度より国内のマラソン大会では初めて2kmCOGY(足漕ぎ車いす:株式会社TESS社)の部が新設された。当施設からは利用者4名が外出機会の促進、利用者同士の交流を目的として参加した。
【結果】調理実習を通してそれぞれの利用者の生活で大きな変化がみられた。その1例として、立位での作業に自信を持ち、夫に任せていた家事動作の内、茶碗洗いをご自身の役割として行うようになった。また「めったに行わない調理を自宅でもやってみた」、「就労支援施設に通ってみようかと思う」など前進的な言葉が聞かれるようになった。
岩手山ろくファミリーマラソン終了後、それまで自宅周辺しか外出しようとしなかった利用者が、外出の楽しさを実感し、「来年度はマラソンの部で参加したい」、「釣りに行きたい」と具体的な目標を語るようなった。それ以外でも利用者各自で様々な形で完走を喜び、次へのステップへの足掛かりとなった。
【結論】これまでは身体機能の維持向上を主な目標としていた利用者が、現在の身体機能で出来ることから始め、困難な動作も工夫次第で可能になるという成功体験を経験することで、リハビリを行うその先の自身の可能性を広く持ち、リハビリに取り組んでいくことができる。今回の事例を通してリハ職が支援し、今まで未経験だったことに挑戦することで「受け身」から「自発的な取り組み」へと気持ちの変化をもたらすことが出来る。それによってリハビリ意欲の向上、そして在宅生活での自発的な活動へ繋げることができ、本当の意味で「自立支援」を促していけることが分かった。

【倫理的配慮、説明と同意】
ヘルシンキ宣言に基づき、利用者本人に十分な説明を行い、同意を得た。