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[1C-01] 長文銘を「見る」ための装飾的金文書体
蔡侯墓出土青銅器の銘文を元にした書体のデザイン
キーワード:Typeface design, Chinese bronze inscripts
本稿は安徽省壽県蔡侯墓から出土した青銅器(蔡侯盤)の銘文を元にした書体デザインの途中報告である。現代の書体デザインにおいては、概ね長文は「読む」ためのものであり、長い文章を装飾にするための書体はあまりない。蔡侯墓から出土した青銅器銘文は儀礼的な内容であり、長文でありながら器物を装飾する目的で書かれていると考えられている。蔡侯盤の金文書体は、筆画の曲がり具合や角度、抑揚などに特徴があり、筆画の特徴が長文銘に集積した結果、銘文全体に様式美が備わることは注目に値する。