日本デザイン学会 第69回研究発表大会

講演情報

オーガナイズドセッション

[2room6-1700] オーガナイズドセッション 4「足元のWHYを問い直すデザイン」

-時間がうみだす構造を捉えて持続可能な社会をかたちづくる-

2022年6月25日(土) 17:00 〜 18:30 口頭発表 第6会場

17:00 〜 18:30

[2room6-1700-1add] オーガナイズドセッション 4「足元のWHYを問い直すデザイン」

-時間がうみだす構造を捉えて持続可能な社会をかたちづくる-

オーガナイザー:
 横溝 賢/情報デザイン研究部会

パネリスト等:
問いをたてた人:
 木村 篤信/情報デザイン研究部会員・地域創生Coデザイン研究所

問いを問い直す人:
・行政のデザインの視点からの問い直し
  梅本 政隆/地域創生Coデザイン研究所
・コミュニティのデザインの視点からの問い直し
  由井 真波/デザイナー(リンク・コミュニティデザイン研究所)

モデレータ:
 横溝 賢/情報デザイン研究部会主査・札幌市立大学
 元木 環/情報デザイン研究部会副査・公立はこだて未来大学

情報デザイン研究部会では、これまで地域や社会に向けたデザインの実践を深めてきました。その中で生活世界に立ってデザインを実践する際の新たな課題が見えてきました。

 例えば、大牟田市では認知症のお年寄りを地域で見守る取り組みをすることで、そのお年寄りたちは支援の中で暮らせるようになりました。しかし、見守る側の人が見守られる側になったとき、ショックで地域に顔を出せなくなったことがあったのです。この事例で地域の人々は、目の前の支援をすることよりも、支援する・される関係ではない構造に転じる必要性を突き付けられました。

 目の前の問題への対処が行き詰ったとき、このような「構造的な問題」にアプローチするにはどうすればよいのか?社会課題を机上でなく生活世界から考えることは必要なふるまいですが、目の前に見える事象やその直前の問題に意識が向かいがちです。しかし、その事象の背景にある「時間」に着目し、過去の状況や変遷してきた制度や慣習などを読み解くと、その事象が自然発生的な問題ではなかったと気づくことがあります。

 本OSでは、生活世界の困りごとの足元に流れる「時間」がうみだす構造に焦点を当てながら問題の根本を問い直すデザイン実践の可能性について、対話を通じて深めたいと思います。