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[4C-01] 対話型ワークショップにおける療育者のノウハウ抽出の試み
視覚障害児支援における暗黙知的ノウハウの抽出・共有手法 (4)
キーワード:Visually Impaired Children, Casual Conversation, Tacit Knowledge
視覚障害児の状態や成長過程は非常に多様であり、彼らの健やかな発達を促すため、保護者や療育者は様々な工夫を重ねている。その中にはノウハウとは認識されていない『暗黙知的ノウハウ』も数多く存在していると推測されるが、それらを改めて認識・可視化する機会は少なく、また視覚障害乳幼児数が減少傾向にあることから、同じ悩みを持つ保護者や療育者間において、ノウハウの共有は難しい状態にあると言える。本研究では、これらノウハウの抽出と共有を目的とし、前報では『おしゃべり知』として、保護者に対し育児に関するノウハウの抽出のための対話型ワークショップを設計、実施した。本報では、療育者を対象に2回の対話型ワークショップを実施し、ノウハウ抽出の際の特徴や会話の傾向などを明らかにした。療育者の発話からはひとつのエピソードに複数のノウハウや学びの意図が含まれる“内包型”ノウハウ抽出、ひとつのエピソードから複数の参加者の経験が想起される“派生型”ノウハウ抽出などのパターンが見られた。またファシリテータを介さない参加者相互の会話も活発であり、面識の有無に関わらず共感が生まれやすく、参加者間の会話が成立しやすい傾向が見られた。