日本デザイン学会 第69回研究発表大会

講演情報

口頭

[5B] デザイン方法論、デザイン評価

2022年6月25日(土) 13:00 〜 15:00 口頭発表 第5会場

座長:田中 佐代子(筑波大学)

13:20 〜 13:40

[5B-02] 対立概念の系統的提示によるデザイン発想創出の試み

*竹内 智一1、村上 存1 (1. 東京大学大学院工学系研究科)

キーワード:Direct and Indirect Antonym, Electronic Concept Dictionary, Innovative Idea

近年、製品の設計/デザインにおいて、「どう造るか」よりも上流の「何を創るか」の段階で革新的発想を得ることが重要視されている。本研究では、革新的発想を創出する手掛かりとして、 何らかの意味で対立する概念の組を活用することを考え、電子化概念辞書を用いて対立概念の組を系統的・網羅的に生成す ることで革新的発想創出を行うことを試みた。本研究では、実験参加者に興味を持つ/解決したい課題がある製品・サービスと、その製品・サービスの特徴を表すと考える名詞・動詞・形容詞・副詞を挙げてもらい実験を行った。それらの特徴をもとに実験者は電子化概念辞書を用いて、実験参加者ごとに概念の組を生成、提示し、実験参加者は「提示した概念を何らかの意味で反映させた新しい製品・サービス」という内容で発想創出を行った。発想法の有効性を分析するため提示した概念の種類と創出された優れた発想の関係について分析した。その結果、直接的対義語から創出された発想は間接的対義語、類義語から創出された発想よりも新規性、有用性ともにわずかに高い傾向が見られた。一方で、提示する概念の品詞によって優れた発想創出には傾向が見られなかった。