日本デザイン学会 第69回研究発表大会

講演情報

口頭

[6A] 景観デザイン、家具、木工

2022年6月25日(土) 09:00 〜 11:00 口頭発表 第6会場

座長:佐々木 美貴(愛知県立芸術大学)

09:00 〜 09:20

[6A-01] 高齢運転者の一時停止意欲と路面標示の出現タイミングの関係

信号機のない横断歩道における立体文字標示を対象として

*呉 敏1、永見 豊2 (1. 拓殖大学大学院、2. 拓殖大学)

キーワード:Trick Art, Sequence Design, Traffic Safety

信号機のない横断歩道は歩行者が優先であり、ドライバはその手前で停車できるように速度を落として進まなければならない。筆者らはドライビングシミュレーターを用いた実験により、「歩行者優先」の立体路面標示が運転者の停止意欲を高める効果があり、設置数は多い方が良いが、横断歩道直前の設置はマイナス効果であることが分かった。しかし、本実験では、路面標示が無い場合、白文字だけの標示との比較は無く、被験者は学生だけであった。そこで、本研究では、被験者は高齢者と若者を対象として、地色無しの立体文字標示の設置位置と数、および文字標示の地色による一時停止意欲の関係を明らかにするために実験を行った。実験の結果、設置数は数が増えるほど停止意欲の評価が高まり、設置位置に関係なく有りの評価が高く、カラー舗装は面積が広いほど評価が高まる傾向がみられた。高齢者と若者の違いは若者の方が評価の幅が大きいものの、評価傾向は同じであった。今回の高齢被験者は、ほぼ全員がダイヤマークの意味を理解しており、いわば優良運転者であった。そのため、路面文字標示が無い場合でも停止意欲が高く、評価の幅が小さかったと考えられる。