日本デザイン学会 第69回研究発表大会

講演情報

ポスター

[PA] エリアA(家具、木工、建築、インテリア、環境、景観、地域振興、地域研究、その他)

2022年6月26日(日) 10:50 〜 11:50 エリアA (ポスター発表)

[PA-13] 地域博物館におけるデジタル造形機器を活用した展示器具の制作

*青木 宏展1、植田 憲1 (1. 千葉大学)

キーワード:Regional Museum, Digital Fabrication, Exhibition Equipment


地域社会の自立・自律が求められる今日において、いかにして地域の文化を伝達・共有していくかは喫緊の課題である。本稿は、地域の生活者が参与可能な、デジタル時代における地域文化の発信・共有の場としての地域博物館の構築を目指す研究の一環である。 とりわけ本稿では地域博物館におけるデジタル造形機器を活用した展示器具の制作の事例を取り上げ、一連の活動から得られた知見ならびに課題を報告した。聞き取り調査・現地調査に基づき、地域の博物館における展示器具の不足に伴う展示の限界、収納庫のひっ迫等の課題を把握したのち、デジタル造形機器を活用した3点の展示器具の制作を行った。それらは、上記の課題に応えるものであったが、未だ①展示対象の大きさや重量における強度の限界の検証、②制作過程において放出される汚染物質量の検証等の必要性、③レーザー加工機をはじめとした一般的なデジタル造形機器で制作可能な仕様の検討等取り組むべき課題は少なくない。今後はこうした課題に取り組みつつ、本稿で制作したデジタルデータをはじめ、得られた知見を地域内で蓄積、共有するためのデジタル造形機器活用事例のアーカイブの構築等も視野に入れ、活動を展開したい。