日本デザイン学会 第69回研究発表大会

講演情報

ポスター

[PC] エリアC(マネージメント、計画、教育、システム・形態、構成、論、史、材料計画、デザイン評価、感性工学、人間工学)

2022年6月25日(土) 11:10 〜 12:10 エリアC (ポスター発表)

[PC-17] 形状における新奇性と複雑さの定式化と逆問題への応用

新奇性と複雑さを制御可能な形状生成システムの開発

*本多 詩聞1、柳澤 秀吉1、加藤 健郎2 (1. 東京大学大学院工学系研究科、2. 慶應義塾大学大学院理工学研究科)

キーワード:Aesthetics, Shape Generation, Kansei Design


デザイン形状の美しさは,製品の魅力を高めるために不可欠な要素の一つである.また美しさについては,「無意識的」で直観的かつシンプルな美しさと,「意識的」で知覚に時間を要する複雑な美しさがあり,条件によってどちらが主体で評価されるかが異なるとするモデルがある.本研究では,適度な新奇性や複雑さが快の感情を最大化するという心理学の理論に基づき,形状知覚における新奇性と複雑さを定式化した.これを用いて,任意の新奇性と複雑さをとる多様な形状を生成する計算機システムを開発した.さらに開発システムが生成する形状サンプルの美しさや面白さ,新奇性と複雑さについて,これらの関係を被験者実験により検証した.実験結果から,サンプルの評価に費やせる時間を操作することで,無意識的な評価と意識的な評価を個別に取得できること,そして開発システムは形状の新奇性と複雑さを制御し,意識的な美を制御できることが示された.本研究の成果には,提案システムを利用した設計支援が期待される.